週末の手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月17日 16時10分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株がまちまち、方向感のない展開となり日本市場も方向感に乏しい展開となりました。週末ということもあり、手仕舞いの売り買いが中心で大きく方向感が出るということもありませんでした。売り買いともに手掛かり材料がないということが手掛かりにならないかというほど材料がなく、指数は方向感に欠ける展開でした。ただ、幕間つなぎとして値動きの良い銘柄に飛び乗る動きは健在で相変らず目先筋中心となっていました。一方で、主力銘柄は買い手掛かりのない中で手仕舞い売りに押されるものも多く、好悪の材料への反応は鈍くなっていました。

 相変らず相場全体の方向感がみえない展開となっています。何をやってもうまく行かないということで株式投資を止めてしまうなどと言う人もいるようですが、一方で何とかうまく、この相場で儲けている人もいるのが現状です。確かにディーラーでさえ、「アルゴリズム取引」などと言うシステムを相手に生き抜いて行くのは厳しいようですが、個人投資家もまた、その個人投資家に対するアドバイスなどで食べているような営業マンも手数料があがらずに困っているようです。これまでこのコラムで述べているように株式投資をする上では情報というのが必要ですが、本当に必要とされている情報というのはいったいどのような情報なのでしょう。

 会社側から伝えられる情報は新製品や新サービスの情報であり、財務や決算の情報で、それは現在では各社のホームページなどから簡単に見られます。また、証券会社からは個別銘柄のレポートや日々の相場情報などがメールなどで示されますが、これもまた、証券会社の営業マンなどを通して知るものもあるにはありますが、ほとんどの場合直接メールを受け取るか、あるいは情報端末などで見ることが可能です。昔でしたら、経済研究所から送られてきたFAXをお客様のところに転送したり、あるいは手書きで自分で資料を作ってお客様に届けたり、FAXをしたりして注文を取っていました。

 現在はこうしたことも「コンプライアンス」の許可が必要で、実際の相場はミリ秒単位で動いており、株価の情報は瞬時に投資家に届くのに、投資資料はすぐには届かないと言うことになります。営業マン個人の情報や分析能力、資料作成能力で商売ができたのですが、そういう分析情報なども一元化してしまい個性が見られず、動くときは一方向に動きやすいということになったのだと思います。出来る限り、自分の目で見て聞くことが一番ですが、しっかりとした目を持ち耳を持った人間(=営業マン)を味方につけて、情報を得ると言う方法ももっと主流になってもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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