そもそもリクエストって何だろう? 店頭でのリクエスト、例えば「エンガワ!」と寿司屋で叫ぶのは「オレは通だぞ」というプライドがありあり。「いつもの」と飲み屋でのつぶやきはツケ払いが効くし、「スリータックで」とテーラーで言うのは、セリ出し気味のお腹への防衛策でもある。つまりリクエストのウラには「お願い以上のこと」がある。リクエストを分類してみよう。
リクエストは顧客を呼び込み、リピーターにする仕掛けであり、商品開発ヒントもある。「ツユダク」「ツユ無し」「ネギ抜き」のウラには、牛汁丼や牛握り寿司や肉食丼があるのかもしれない。
リクエストは待っていては来ない。「この店なら、この会社ならリクエストに応えてくれる」、そういうイメージがないとだめ。単純に目安箱を置いても誰もリクエストしない。好事例を挙げよう。
私が関わるアートギャラリー運営で、あるイラストレーターがオーダー絵画の展示会を開いた。何と100枚以上(!)のオーダー絵画で会場が埋め尽くされた。すべて花がモチーフである。なぜ100人ものオーダーを獲得できたのか? それは作家が、次の魔法の言葉をWebサイトに投げたからだった。
「花言葉を3つ添えて、24時間以内にお申し込みください」
3つだけの言葉のリクエスト(例えば、××の花を◯◯の色で□□の場面で)、そして受注時間はたった24時間。クチコミがクチコミを呼び、当初20〜30枚とタカをくくっていた受注数は、100以上に膨れあがった。リクエストには制約が必要なのだ。
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