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» 2011年07月04日 08時00分 公開

株式市場から“自由”になる会社たちの行方ちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

[ちきりん,Chikirinの日記]

株式公開のデメリット

 一方、株式公開のデメリットもあります。

  • 経営の自由度を失う
  • 買収されるリスクにさらされる
  • 管理にコストと手間が生じる

 「経営の自由度を失う」「買収されるリスクにさらされる」ことを嫌う企業の中には、サントリーなどあえて株式を公開しないところや、アパレル大手のワールドのように途中から非公開化するところも存在します。

 昔は、株式公開といえば“企業の達成目標の1つ”であり“憧れ”だったのだと思うのですが、最近はそのメリットとデメリットを比較し、資金調達や採用に困らないのであれば、あえて株式公開を目指さない経営者や株主も増えていると思います。

 というのも、最近の新しい企業にとっては株式公開のメリットが必ずしも大きくないからです。例えば採用においても、採用したいと思う層が「就職先企業が上場企業かどうかを気にする層」ではなければ、この点での株式公開メリットはありません。

 知名度に関しても、「ネット上で十分な知名度さえ築ければそれでいい」ところもあるし、取引上の信用力についても、株式公開するより「グーグルやヤフー、IBM、マイクロソフトなどのビッグネームと取引がある」という方が意味のある時代になりつつあります。

 早くから投資ファンドなどが資金提供をオファーしてきた場合は、資金調達手段としての意義も薄れます。また、最近はそんなに多額の資金が必要ではない事業も増えてきました。

 そういった会社にとって唯一意義が大きい株式公開のメリットは、積極的なM&Aが可能になるということでしょう。ソフトバンク、ファーストリテイリング、ヤフー、エイチ・アイ・エス、楽天、ディー・エヌ・エーなど、2000年の前後10年間に株式公開した企業の多くが、積極的なM&Aを成長の源泉としています。

 反対に言えば、M&Aを多用して急成長を目論むのでなければ、株式公開はいよいよ意義をもたなくなるということです。そして、「そんなに急成長する必要はない」と思う企業の中には、最初から株式公開を目指さない起業人が出てくるのです。

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