地震に強い家、地震に弱い家を見分ける方法あなたはどうする? 住まいの選び方(1/3 ページ)

» 2011年07月20日 08時00分 公開
[権田和士(日本エル・シー・エー),Business Media 誠]

権田和士(ごんだ・かずひと)のプロフィール

早稲田大学卒業後、日本エル・シー・エーに入社。現在は同社で執行役員。住宅業界向けコンサルティングで、日本最大規模の実績を誇る住宅不動産事業部の事業部長を務め、これまで50社以上の支援を行う。1年間のうち、300日以上講演や研修を行い、その研修生は年間でのべ4000人以上に及ぶ。住宅・不動産業界の未来を見据えた業界動向のほか、全国各地の工務店やデベロッパー、ハウスメーカーの個別事情に精通している。

また住宅業界の専門誌などで、数多くのコラム連載を行っている。経営コラム「住宅業界を斬る!」を連載中。


 3月の大震災後、耐震リフォーム・耐震診断のニーズが日本各地で高まっているのをご存じだろうか。関東のある住宅リフォーム会社は今年3月にほぼゼロだった耐震リフォームの売り上げが4月に5400万円、5月に6400万円と2カ月連続で急増した。

 今回の記事では、ニーズの高まっている耐震リフォームに関するトピックスを取り上げ、住まいに関する情報を読者にお伝えすることが目的である。後述するが、日本人はリフォームなどの住宅メンテナンスに関する知識が少なく、その結果、諸外国より日本の住宅平均寿命は圧倒的に短い。ぜひこの機会に正しい耐震に関する知識をインプットしていただければと思う。

1981年〜2000年に建てられた住宅は、要注意!?

これから耐震基準の変遷についてお伝えしていくが、ぜひ読者ご自身の住まい、もしくはご実家の住まいがいつ頃に建てられたのかを意識しながら読んで頂ければと思う。

日本の建築物の耐震基準は、大震災の発生とともに変遷を遂げてきた。関東大震災の発生を受け、1924年に始めて耐震基準が新設され、宮城県沖地震後の1981年に建築基準法の大改正が行われる。そして、1995年の阪神・淡路大震災での被害を受け、2000年に建築基準法改正が施行実施され、今日に至っている。

 現在、1981年6月以前に建てられた木造家屋については市や行政の耐震に関する無料診断が受けられ、最大65万円の補助金を受けられる場合がある。そのため、1981年6月以前に家を建てられた消費者は耐震に関する意識が高いことが特徴だ。

 気をつけるべきなのが、この1981年6月以降から2000年の建築基準法改正の施行実施までに建てられた家である。この1981年〜2000年の間に建てられた家には、大きな欠点を内包している場合があるのだ。

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