地震に強い家、地震に弱い家を見分ける方法あなたはどうする? 住まいの選び方(2/3 ページ)

» 2011年07月20日 08時00分 公開
[権田和士(日本エル・シー・エー),Business Media 誠]

 懸念される欠点の1つは、家の四隅の柱、通し柱と土台の引き抜けを防止するための接続金物が、現在と違って入っていない場合が多いということ。阪神・淡路大震災の時にはそれがないため倒壊するお宅が多かったのだ。現在の建物には義務付けされているが、2000年の建築基準法改正以前はその金物が入っていない場合がある。

 もう1つは、建築確認申請の図面では耐震強度があるが、2000年以前は完了時の検査が義務付けされていなかったため、完了後の構造と完了前の図面とが異なるケースがあるということ。つまり、1981年〜2000年に建てられた住宅は、家主の耐震に対する意識が高くないことに加え、住宅の構造に抜け穴がある場合があり、より一層の注意を払って耐震性をチェックする必要がある。

耐震基準で気をつけるべき点は? (写真と本文は関係ありません)

地震に強い家、地震に弱い家

 他にも、地震に強い家と弱い家の違いの具体例として、「壁の量とバランス」「壁倍率」についてお伝えする。

 壁の量に関しては多ければ多いほど建物の耐震性は高まる。壁という建物の支えが多くなるから当然と言えば当然のことだ。しかし、壁の量を多くして堅牢な建物にしようとすれば窓などの開口部は少なくなり、全面を壁で囲まれた家ができ上がってしまう。そこで重要になってくるのが、「壁倍率」と「壁のバランス」だ。

 壁倍率とは簡単に言うと、1枚当たりの「壁の強さ」を表す。壁の厚さや幅を増やし、筋交いのたすき掛けを施すことで壁倍率は高くなり、強度の高い壁ができ上がる。壁の量ではなく、1つ1つの壁の強さを強化することで耐震性を高めることができるのだ。

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