労働時間が、減らないワケ城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(2)(2/5 ページ)

» 2011年08月05日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
城繁幸さん

城:労働時間が減らない2つめの理由として、業務が明確に区切られていないので、どうしてもダラダラした働き方になってしまうことが挙げられます。僕はよくこのように言っています。「日本企業はムラでみんなで田植えをしているようなもの」と。

 村全体で行わなければいけない仕事は、長くなりがち。「オレの仕事は終わったから、お先に」とはなかなか言いにくい世界。この問題を解消するには、賃金体系を変えるしかないんですよ。1人1人に仕事を与えて「どこで仕事をしてもいいですよ。だけどボーナスの前に成果を出して、白黒つけましょうね」と。でないと残業時間は減りません。

 僕もサラリーマン時代にたくさん残業をしてきました。毎月、80時間以上残業していましたが、減らそうという意識がありませんでしたね(笑)。なぜなら早く仕事を終わらせても、帰れませんから。周囲の目が気になりますし、どうせ早く仕事が終わってもまた違う仕事を与えられるし。

赤木:「仕事が終わった」と宣言すれば、上司から「じゃあ、次にこれやって」と言われるんですね。

城:なぜ次々に仕事を与えられるかというと、そもそも担当業務があいまいだから。

赤木:なるほど。

城:もし上司に「それは自分の仕事ではありません。帰ります」と言えば、ほされるに決まっている(笑)。なのでインセンティブとして、労働時間を少なくするという意識がなかったですね。

赤木:担当している仕事をみんなの仕事時間に合わせて、引き伸ばしてやっていく感じですね。

城:その通りです。

赤木:効率が悪いですね。

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