35歳になった時に心得ていないと、ヤバイこと吉田典史の時事日想(1/3 ページ)

» 2011年08月05日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 今回は、会社員が35歳になったときに心得ていないと、前途がヤバクなることを紹介したい。この年齢は、会社員にとって“エンディング”の時期と私は考えている。特に仕事への姿勢とか意識、考え方はこのころまでにおおむね固まる。経験論で言えば、35歳以降はこれらを大きく変えることはなかなかできない。

 仕事への意識や姿勢は、実績や成果を上げる上で不可欠な要素だ。職務遂行能力だけでは、同世代のほかの社員の実績を超えることはできない。一定水準以上の会社は社員の底上げをしているから、30代半ばまでくらいは実績において大きな差は付かない。あまりにも差が付くところは、特に売り上げが10億円以下の会社に目立つが、社員教育や育成が不十分であり、業績は良くない可能性が高い。

職務遂行能力×仕事への意識・考え方=成果・実績

 仕事への意識が実績に及ぼす影響について言えば、例えば、私の場合、記事を書くことが「職務遂行能力」と言える。実績を上げていくためには、仕事への意識が高いことが必要になる。それは、「職務遂行能力×仕事への意識・考え方=成果・実績」と表現できる。例を挙げると、私が「月末までに何が何でも記事を書き上げる!」と決めると、おのずと意識は高くなる。そして、成果は上がる。

 「記事を書き上げる」と思うことは、40歳を超えても変わらない。だが、その取り組みへの姿勢や意識などは35歳までに上司などから叩き込まれたものである。これがその後も、言わば「経営資源」として残る。例えば、ノルマなどが厳しい会社でスパルタ教育をする上司のもと、仕事をしてきた人を見ていると、大体、意識が高い。逆に競争がさほどない会社の人は転職後ものんびりした考え方があまり変わらない。

 この意識が同世代の社員と比べると、著しく低い人たちがいる。その一例を挙げたい。私は、専門学校で30代半ばまでくらいの社会人に記事の書き方などを教えている。その多くは、「ライターや編集者になりたい」と願っている。この人たちは文章を書くスキルをある程度、身に付けて卒業する。

 そのほとんどがライターやフリー編集者になるものの、数年以内に廃業し、消えていく。仕事がなく、生活を支えるだけの収入を得ることができないからだ。運良く、出版社や業界紙の契約社員になっても数年以内に切られて、無職の身となる。こうしていつしか、いなくなる。

 この人たちを観察していると、「職務遂行能力×仕事への意識・考え方」を理解していない。職務遂行能力さえ上げれば、それで質の高い記事を書くことができると思い込んでいる。ここに、誤りがある。仕事への意識をもっと高くしないと、競争社会では生き残れない。

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