グルビが過去数年間に香港やシンガポールなどアジアを中心に開催していた企画展をパワーアップさせ、福岡で今春開催した「GROOVISIONS FUK」を、さらにパワーアップした内容で構成されているのが本展。国内外の巨匠のグラフィック展などを開催するgggにとって、普段は無いポップな雰囲気が印象的だ。
ギャラリー1階で出迎えてくれる、本展のために企画された実験的なオリジナル作品のインスタレーションをはじめ、階下の会場を埋め尽くすおびただしい数の作品は、そのすべてが“代表作”と呼びたくなるほど見応えたっぷり。
開催初日に開かれたレセプションには、Wonderwall代表・片山正通氏や、吉岡徳仁氏といったそうそうたる面々が駆けつけた。その顔ぶれの豊かさがそのまま、グルーヴィジョンズの活動の幅広さを物語っているような密度の濃さである。片山氏に話を聞けば、「2003年に刊行した初の作品集。そのアートディレクションをどうしてもお願いしたくて彼らのスタジオまで直談判しに行ったのを今でも覚えている」という。
片山氏は、その作品集(「Wonderwall Masamichi Katayama Projects」)以降、通算3冊の作品集を発表したが、いずれのアートディレクションもグルーヴィジョンズが担当。RIP SLYMEのCDパッケージなどを眺めてみても同様に、クリエイター同士で築いた信頼の厚さを実感させる展示作品も多い。一切の理屈を抜きに、相手に「グルビじゃなくちゃダメなんだ!」と思わせる圧倒的な個性とデザイン力の豊かさは群を抜いている。
展示作品の中には、「あ、こんな作品も手がけていたんだ」「これもグルビだったんだ」といった新たな発見も眠っている。モーショングラフィックなどのムービー作品はiPadで展示されていて、中には普段なかなか見れない貴重な作品もあるのでお見逃しなく。8月27日(土)まで。
ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
Open.11:00〜19:00(土〜18:00)日・祝休、入場無料
Tel. 03-3571-5206
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