米国株高の割に円高を嫌気し市場参加者の少ないなかで冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年08月16日 16時06分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったのですが、日本市場は寄り付きこそ買い先行となったものの先行きを警戒する目先筋の売り(?)に押されて冴えない展開となりました。外国人が相変らず売り越し基調となっていることや為替が円高基調にあるということで売られるものも多く、早めの手仕舞い売りや見切り売りも出ていたのだと思いますが、円高を嫌気したという割には内需銘柄にも軟調なものが多く、増税なども懸念されているのだと思います。いずれにしても、掴みどころのない相場展開となっていました。

 いったい何を見て株式投資をしているのか?と疑問にも思うことがあります。もちろん目先筋=ディーラーやデイトレーダーなどが主流の相場で従来型の「バイアンドホールド」が見られないと言うことも相場の混乱の要因の一つなのでしょうが、材料や業績ということでもなく、あくまでも目先の需給に振らされることが多いのではないかと思います。

 もちろん、企業業績の先行きに対して懸念が強いから最後まで持ち切れないということなのでしょうが、目先の需給にこれだけ振り回されると誰もが目先の需給ばかりを気にして、ますます目先の需給に振らされるということになるのでしょう。値上がり率上位銘柄や下位銘柄等をみてもきちんとした理由があって大きく買われている、あるいは大きく売られているというものが少なく、ほとんどの銘柄が特に理由のないなかで買い戻しが入って高くなったり、手仕舞い売りに押されて安くなっているということなのでしょう。

 大きな流れの中で見ればここ1〜2日の動きは関係ないということになるのかもしれませんが、経済指標や業績とこれだけ乖離している株価をどのように捉えて行けばいいのかと言うことでしょう。一つの解としては現物株はあくまでもバイアンドホールドで安いところを買い、配当や株主優待をもらうつもりで投資、その株券を担保に信用取引で目先の動きに乗る、あるいは先物やオプションでヘッジも兼ねながらトレードするという方法もあるかもしれません。いずれにしても最後には業績や経済動向の方向に向かうのが株式市場だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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