“日本の便利”をもっと世界に!ちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2011年08月22日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

人間は「うまい!」「気持ち良い!」と分かれば慣習を変える

 さらに「洗い場付きのお風呂」ももっとアピールすべきです。格安のビジネスホテルがスペースの節約のためにユニットバスを使うのは分かりますが、巨大なバスルームをもつ一流ホテルでさえ、欧米では「バスタブ+(それとは別の場所に設置した)シャワーブース」という組み合わせです。

 せめて日本にある一流ホテルは「洗い場付きのお風呂」(もちろんシャワー付き)を設置し、もっと積極的に外国人宿泊客にアピールすべきじゃないでしょうか?

 「バスタブで暖まる」「シャワーで洗う」という組み合わせが自在にできる「洗い場付きのお風呂」を便利と思うのは、決して日本人だけではないでしょう。また、バスタブを使ったらトイレまで湿気だらけになる西洋風のバスルームを彼らが“すごく快適”と考えているわけでもないように思います。

 こう言うと、「欧米人はそういうお風呂の入り方はしない」と言う人もいますが、あのお風呂の便利さや気持ち良さが伝えられれば、変わる可能性は十分あると思います。20年前には欧米人には一々「ナマのお魚は食べられますか?」「箸は使えますか?」とか聞く必要がありましたが、今や寿司ほど海外で食べられている日本食はないし、箸だってみんな上手に使います。人間は「うまい!」とか「気持ち良い!」と分かれば、慣習を変えていくものなのです。

 というわけで、オークラや帝国ホテルなどの「日本の一流ホテル」には、プライドを持って「日本にはもっと便利な形式の、気持ち良いお風呂があるんですよ!」という“押し”をしてほしいです。

 また、特に欧州ではいまだに「固定シャワー」をよく見かけます。欧米にだって背の低い人もいるだろうし、足だけ洗いたい時などにも超不便です。レインフォール型のシャワーなら固定でもいいですが(あれはアレでとても気持ち良いので!)、洗うためのシャワーとしては可動式の普及が強く希望されます。

 また「混合水栓」ではない、お湯と水を別々に操作する水栓器具もみますよね。真鍮(しんちゅう)の水栓金具にタイルが付いていたりして、見た目はおしゃれで素敵なのですが、今時「湯」と「水」を別々に出して適温を調整するなんて面倒くさ過ぎます。

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