昨日の大幅高の反動や持ち高調整の売りが続き軟調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月24日 16時12分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8639.61円 ▼93.40円
売買高 21億8094万株
売買代金 1兆3392億5100万円
値上がり銘柄 454銘柄
値下がり銘柄 1056銘柄
騰落レシオ 63.99% ▼3.56%

日経平均

米国株高を受けて買い先行となるも昨日の大幅高の反動や持ち高調整の売りが続き軟調な展開

 米国株が大幅高となったことから買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が相変らず売り越しと伝えられたことや為替が円高気味ということに加え、日本国債の格下げも伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後は手仕舞い売りに押され上値も重くなりました。それでも、売られすぎた銘柄に買い戻しも見られ戻りを試す動きもありましたが、財務大臣の会見が昼に行われると伝えられると介入がないということで円高を懸念して売り直され軟調となりました。

 昼の時間に行われた財務大臣の会見も特に為替市場や株式市場で好感されることもなく、売り直されて下げ幅拡大となりました。米国でのQE3(量的緩和)期待と対極にあるような感じで政府・金融当局の無策ぶり、円高に対する手詰まり感を示すものとして買い手も引っ込んでしまったということなのだと思います。主力銘柄への持高調整の売りも続いて年初来安値を更新する銘柄も多く、米国株が大幅高となったにもかかわらず大幅安となりました。

 小型銘柄は幕間つなぎ的に値動きの良さが好感されて堅調なものもみられましたが、物色対象が広がることもなく、最後は逆に手仕舞い売りに押されるものも多くなりました。二部株指数は小幅安となったものの、東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅安、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物もまとまった売り買いは散発的にはみられたものの断続的な動きにはならず、指数を動かすことはあっても方向付けるような動きはありませんでした。相変らず方向感を持っての売り買いはほとんどみられないという状況でした。

 米国株は大幅高となったのですが、日本株は相変らず米国株が高い時には連れ高とならず大幅安となりました。おそらく、国債が格下げとなったから大きく売られたなどといわれるのでしょうが、下落の要因は昨日までと全く同じで主力銘柄への持高調整の売りで大きく指数も下落となったものと思われます。景気鈍化懸念とか円高懸念とか国債格下げの懸念などといわれるのでしょうが、実態は単純な持高調整の売りに押されて買い手不在の中で下げがきつくなったということなのでしょう。割安か割高かといえば割安であり、景気鈍化懸念が薄れれば見直し買いも入り水準訂正となってくるのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 大きな「包み足」となりました。底値で出る形であり、RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、騰落レシオも底値に近く、基準線からの乖離なども大きいことを考えると反発となってもおかしくはないところです。転換線を抜けるのかどうかがまずは注目されますが、反発は大いに期待されます。

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