コラム
» 2011年10月20日 08時01分 UPDATE

相場英雄の時事日想:“魔女狩り”ではダメ! 都の暴力団排除条例にひとこと (2/3)

[相場英雄,Business Media 誠]

秘かに侵蝕

 筆者は小説と漫画原作の執筆を生業としている。警察モノや経済ネタを扱う機会が多いため、頻繁に捜査関係者と会い、取材させてもらっている。

 この過程では、しばしば暴力団の動向に話が及ぶ。主に、経済事案を“稼業”にする向きの話題が多い。

 過日、いつものように取材していると「某広域組織の傘下団体が一般企業を装い、ある芸能事務所を侵蝕している」との情報に触れた。実際に捜査員が独自に作成したメモも目にした。

 あくまで小説用の取材であり、筆者はこの具体的な名称などを報じるつもりは一切ない。しかし、元記者という性分もあり一応、ウラを取ってみた。この事務所に近い関係者に接触したところ、やはり情報は本物だったのだ。

 標的となった芸能事務所は、創業者やその一族が経営の第一線から徐々に遠ざかるとともに、一般企業を装ったその筋の人たちが業務提携などの形でスタッフを送り込み、「数年かけて事務所の経理業務をほぼ掌握してしまった」(先の関係者)というのだ。

 実話系週刊誌などでは、暴力団に近いとされる大手芸能事務所がいくつも取り上げられているが、筆者が調べた事務所は今までに一度もこうした媒体に載ったことがない上に、筆者の知り得る範囲では、マークもされていない。

 大きな事務所ではないが、映画の主演を務めるような人気俳優や人気バラエティー番組のレギュラークラスのタレントが多数在籍している。別の捜査関係者によれば、こうしたケースはこの事務所だけにとどまらないもよう。“侵蝕”が筆者の予想以上に進行していることを痛感した次第だ。

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