いざ測定……の前に、まずは包丁でもやしを細かく刻む。SEG-001では500ミリリットルまで測定できるのだが、試料をたくさん詰めた方が、検査精度が高くなる。そのため、測定容器内に食品を入れる時、隙間が少なくできる大きさに加工することが大切なのだ。
空の測定容器をビニール袋で包んで重量を計った後、刻んだもやしを入れて再度測定。容器いっぱいにもやしを詰め込んだのだが、「後者の重量−前者の重量」は414グラムだったので、若干刻みが甘かったかもしれない。
重量を測った後、フタをかぶせて、さらにビニール袋で包んで、測定容器をSEG-001本体に挿入する。測定結果が出るまでは、「試料に放射性物質が含まれている」前提で検査するので、これらの作業は基本的にビニール手袋をはめて行う。
ノートPCにインストールした「AkWin」という専用ソフトウェアに、重量データを入力し、それまでの測定結果を分析するプログラムを走らせると、その時点での放射性物質の検出下限値がPCモニタに表示される。
10分ほど後にプログラムを走らせてみたところ、もやしからは検出下限値を超える放射性物質は検出されなかった。次図が分析結果を示したPC画面のスクリーンショットである。
もし、試料から検出下限値を超える放射性物質が確認された場合には、別に具体的な値を表示する仕組みとなっている※。
測定時間を長くするほど検出下限値は低くなり、また測定前に環境中の放射線量(バックグラウンド計数値)も測っているのだが、その時間も長くするほど検出下限値が低くなる(今回、バックグラウンド計数値の測定時間は3600秒)。
SEG-001でバックグラウンド測定時間を3600秒とった場合、試料計測時間が3600秒だと検出下限値は1キログラム当たり5.39ベクレル、300秒だと1キログラム当たり15.34ベクレル。乳幼児食品の暫定規制値は1キログラム当たり100ベクレル以上なので、試料が暫定規制値を上回っているかどうかは5分ほどの計測でもある程度は判断できることになる。
試料測定時間 | バックグラウンド測定時間 | 検出下限値 |
---|---|---|
秒 | 秒 | ベクレル/キログラム |
36000 | 36000 | 1.67 |
3600 | 3600 | 5.39 |
1800 | 3600 | 6.73 |
600 | 3600 | 10.77 |
300 | 3600 | 15.34 |
180 | 3600 | 20.36 |
60 | 3600 | 39.74 |
もやしの次は、サラダを測定。今度は刻まずに、そのまま測定容器に放りこんだ。ガンマ線はビニールを透過しやすいため、ドレッシングも袋ごと機械に投入。測定容器に入れてビニール袋に包むだけで、試薬を加えるといったこともないので、サラダは測定後もそのまま食べられる。
こちらも15分ほど測定したところ、検出下限値を超える放射性物質は検出されなかった。
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