ユーロ高に連れて買戻しを急ぐ動きもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月24日 16時09分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国株が大幅高となったことから日本市場も買い先行となりました。週末に海外で円高が一気に進む場面もあり、円売り介入を期待する動きもあって寄り付きの買いが一巡となった後も値持ちの良い展開となりました。後場になると中国の経済指標の好転を好感して久しぶりに日中の取引で動きがみられ、一段高となり、円高懸念は残るものの堅調な展開になりました。欧州金融不安が薄れ、タイの洪水の影響なども織り込まれ、中国の景気鈍化懸念も薄れたということで売られすぎの修正や買戻しを急ぐ動きとなったものと思います。

 久しぶりに日経平均も日中に動きがみられましたが、まだまだ売買高も売買代金も少なく、方向感がみられたわけでもなくあくまでも目先の持高調整という感じです。先週末の急激な円高に関しては「いったい何だったんだ!?」という声が多く聞かれました。特に円を買い急ぐ材料があったというわけでもなく、「投機筋の仕掛け的な円買い」と言われていますが、特に材料があったというよりはオプションに絡む持高調整のような目先の特殊な需給要因ではなかったかと思います。

 株式市場でもアルゴリズム取引による突然のまとまった売り買いなどで株価が乱高下するケースもあり、先物やオプション、為替や債券なども密接に結びついて複雑な動きとなることも多くなっています。こうした動きをしっかりとみておかなければならないのですが、日経平均の先物で大証だけでも明け方の3時まで取引が行なわれ、為替は24時間取引できるので、すべてを網羅してみておくということはほとんど不可能だと思います。

 実際にポジションを取った場合は必ずヘッジの注文を出しておく、とか、注文を出すと同時にヘッジの注文も出しておくというようなリスク管理もこれからは重要になってくるのではないかと思います。そして、そうしたリスク管理の裏をかくような仕掛け的な動きもあるので、ヘッジのヘッジとか、ポジションを持つ時間を限定するなどといった対策が必要な場面も出てくるのではないかと思います。単純に信用取引や現物の売り買いだけではなく、為替や先物、オプションなどの利用も考えておいてもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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