なぜ成功した人は、感謝の気持ちを口にするのか悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(2/3 ページ)

» 2011年11月29日 08時02分 公開
[関厳,Business Media 誠]

「感謝の気持ちを持つ人」の2つのアドバンテージ

感謝の気持ちを持つ人は、2つのアドバンテージがある

 「感謝の気持ち」を強く持つ人を見ていると、そうでない人と比べて2つのアドバンテージを持っていることが分かる。

 まず1つ目は「周りからの協力を得やすい」ということである。ビジネスにおいては自分1人で実現できることは限られており、いかにして同僚、関係先、顧客からサポートしてもらうことができるかが成果を大きく左右する。「感謝の気持ち」を強く持つ人は、日頃の態度や発言において必ずその気持ちが表れる。したがって、周りの人は彼に対して「協力してあげたい」という強い気持ちが働き、成果が出やすい状況ができあがるのだ。

 2つ目は「勝ちパターンを自分自身で演出できる」ということである。「感謝の気持ち」を強く持つ人は「自分に関わる周りの存在を強く理解している人」であり、自分の状況をより客観的に見ることができる人でもある。そして「周りの力がどのように作用して、自分が成果を出せたのかが分かっている」ということでもある。

 例えば、自分が関わっているプロジェクトが成功した時には「同僚のAさんがプロジェクトが計画通り進むようにサポートしてくれた」「関係先のB社がうまく資料をまとめてくれた」「上司のC部長が組織的な調整をしてくれた」などと感謝する。その一方で「自分が発揮できた強みはアイデアを出すことだけだった」といった感じで、周りの力と自分の力を客観的に把握できるのである。

 何か新しいことをする際にも「自分にできること」「自分にできないこと」「自分にできないからこそ周囲にサポートしてほしいこと」が明確であり、物事がうまくいくように自分の周囲の環境を整えることができる。結果として、彼が関わる仕事は成果に結びつきやすくなるのである(勝ちパターンの自身による演出)。

 逆に、周囲への感謝の気持ちが薄く、自意識過剰な人たちは違う。彼らは「自分に能力があったからこそプロジェクトが成功した」といった考えに陥りがちだ。

 「感謝の気持ち」を強く持つ人は2つのアドバンテージを持つ。その上で「成果創出と感謝の気持ちの関係性」を見ると、「感謝の気持ちを強く持つ人は成果を創出しやすい土台ができている」ということが分かる。

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