週末の手仕舞いの売り買いが中心で方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月02日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 前日の大幅高の反動や米国株も上げ一服となったことなどから方向感に乏しい展開となりました。米雇用統計の発表を控えた週末ということで手仕舞いの売り買いはみられるものの積極的な売り買いは手控えられ指数は狭い範囲での動きとなりました。海外要因だけではなく、円高や業績見通しなど不透明要因も多く、昨日の大幅高を受けて手仕舞い売りが嵩み、手仕舞い売りなどで押し目を作る場面では買戻しを急ぐ動きも出てくるということで指数は動きがなかったのだと思います。

 昨日は大幅高となったのですが、やはり長続きせず相変わらず盛り上がりに欠ける展開となりました。大手証券会社系の投資顧問会社が上場を延期すると報じられるなど、株式市場全体が冷え切っているような感じです。自社株買いや完全子会社化などのニュースも多くなっていますが、以前にもこのコラムで述べましたが自社株買いをするということも本当に株主のためになっているのか疑問な面もあると思います。

 お金はあるのですが、投資先がないから自社株買いをするというようなことや株主の事情で自社株を買い取るなどというようなことも多く、日本経済自体が縮小してしまっているようです。加えて、この円高ということで製造業などでは「空洞化」も起きており、さらにこれで増税をするということではやはり日本の株は買えないということになるのだと思ってしまいます。米国のように輸出で稼ぐと明言して為替もドル安にするというように政策の方向性がみえる必要があるということでしょう。

 まだまだ売られすぎの修正ということで戻りも期待できるのでしょうが、腰の据わった買いが継続して入るというような雰囲気でもなく、まだまだ買戻しが主体で先高期待が強いということでもないと思います。政策に方向性がみられ、将来の日本のあるべき姿がみえてくればどういう企業がどうなっていくのかがみえて、腰を据えて投資をしようという向きも出てくるのでしょうが、一寸先が闇というような状況では、為替次第というような状況では腰の据わった投資も難しいと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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