米国では人気があって、日本ではあまり人気がない金融商品とは教えて岡村先生! お金のことアレコレ(3)(3/4 ページ)

» 2011年12月23日 08時00分 公開
[岡村さとみ,土肥義則Business Media 誠]

運用成績が良くないアクティブ投信

アクティブ投信とインデックス投信との違いについて語る岡村聡さん

A:アクティブ投信の手数料は高いですが、それ以上にもうかればいいですよね。プロの人が運用してくれるのであれば、勝てそうだし……。

岡村:実はそうでもないんですよ。昔のマーケット、参加者の多くが個人投資家でした。ですが今は「機関投資家」と呼ばれるプロが多いので、平均以上のもうけを出すのが難しくなってきていますね。過去10年で見ると、市場平均を上回っているアクティブ投信は3〜4本に1本しかないんですよ。

A:えー、そうなんですか。高い手数料を払って、運用成績が悪いなんて、あまり魅力に感じないなあ。でも私の周囲で「インデックス投信やETFを持っている」人は聞いたことがないです。

岡村:インデックス投信やETFの手数料は安い。しかし“安い”ということは証券会社にとって、あまりもうからないことを意味します。なので、積極的に販売されていないんですよ。

 証券会社にとって、Aさんが投資でもうかろうが損をしようが、あまり関係ありません。それよりも手数料の高い商品を何回も買ってもらえれば手数料が入ってくるので、そうした商品を“買わせよう、買わせよう”としますね。

 以前、とある大手証券会社の窓口に行きました。そこで「ETFを購入したいんですが……」と伝えると「お客さん、ETFよりもこっちの商品のほうがいいですよ」とススメられました。その商品というのは、手数料の高いアクティブ投信(笑)。

A:ひどーい。

岡村:近年の米国をみると、インデックス運用をしている人が増えてきています。例えばETFの純資産残高はここ10年で10倍の100兆円にまで拡大しました。しかし日本では5兆円ほど。今後、米国のように日本でもETF人気が高まるかもしれませんね。

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