インタビュー
» 2011年12月30日 06時45分 公開

第3回 足あと廃止は改悪なのか、進歩なのか――ユーザーコミュニケーションの重要性短期集中連載・mixiはどこへ行く?(3/5 ページ)

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

「セキュリティ」を理由にしなかったわけ

――足あとの問題については、セキュリティの問題があると指摘してる人もいました。これは理由ではなかったのでしょうか。

原田 笠原は、そこ(従来の足あと機能にセキュリティ上の懸念があった)は知っていました。ただ私としては、そこは重視していなかった。私の思うポイントはそこではなく、あくまでもコミュニケーションの最適化です。社内では「今回の改修で、セキュリティ上の課題も解決できるね」という声はありましたし、それを言えば納得してくれる人たちがいることももちろん分かってはいました、でも、そこに逃げるつもりはなかった。

 実際のサイレントマジョリティのメンタリティである「気軽に見に行けない」「足あとが重い」という課題に対して、足あと機能を次のステージに進めなくてはいけなかったのです。既存の形のままで置いておいては、解決できない。「足あとをなくした、完了」ではないんです。

「足あと廃止」ではなく「進化の途中」

――mixiにはさまざまなユーザーがいて、リテラシーや使い方もさまざまです。すべてのユーザーを納得させられないまでも、「セキュリティ上の課題があったので、足あと機能をやめました」と言えば、少なくともITリテラシーが高く、主にPCから利用するユーザー層は、ある程度納得してくれたのではないかと思うのです。でも、そうはしなかったですよね。

 さらに今回気になっているのは、主に携帯電話からアクセスし、リアルなつながりを重視してmixiを利用しているユーザーのほうがむしろ「足あとがなくなると困る、元に戻してくれ」と言っている印象があることです。mixiが大好きで、ヘビーユーザーだという自覚がある人たちが、一番怒っているように見える。それだけに、今回の騒ぎは今までとは質も違うし、より深刻なのではないかと思うのですが。

原田 おっしゃることは分かるのですが、足あとの重さがなかったかといえばそんなことはない。現実に、足あとページを訪れるユーザーの7割は消していたのですから、やはり重さはあったということです。バーチャルのつながりの人だったら足あとを消さないし、重いなんてことは思わない。リアルなつながり、友人との関係だからこそ「あ、しまった」と思って消すんです。

 ちなみに、先ほどの高校生や大学生の例でいくと、(足あとを廃止してから)イイネを付ける数がものすごい勢いで増えている。さっき言った「先に見て、後から反応するかどうかを決める」という形に、実際コミュニケーションが変わっていっているんです。

 今の形がベストとは言いません。期間の調整をしたり、もっと自然な形で反応できるようにしたり、もっとポジティブにフィードバックをつけられるようにできると思っています。足あとは勝手につくものです。友人が見てくれたことは分かるけど、それをどう思ったか……例えば「ん?」と思ったのか、共感したのかは分からない。そこはmixiとして乗り越えていきたいと思ったところなんです。今回の機能変更は、「足あとの廃止」じゃなく、「進化させたい」なんです。

 一方で、コミュニティ系の人たちの不満もあります。足あとをきっかけに交流が始まることがありますよね。例えば「足あとをつけてくれて(=見に来てくれて)ありがとうございます」といった交流の始まり方がある。ここはFacebookに良いヒントがありました。FBの「Poke(注:日本語版では「あいさつ」)」はいい機能だと思いました。mixiだと、人とつながるにはいきなりマイミク申請やメッセージ送信です。でも、それだと重すぎる。Pokeのような(マイミク申請よりも)軽くつながれるサービスがあれば、mixiのバリューが上がるのでは……という話は開発チームでしています。

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