駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。
昨年末のクリスマスシーズン、東京湾岸を走るりんかい線を利用した人の中には、人気キャラクターのガチャピンとムックが突然、電車に乗り込んできて驚いた人もいるだろう。
これは東京臨海高速鉄道とフジテレビKIDSが主催し、NEWDAYSと近畿日本ツーリスト、ナイガイが協賛したキャンペ―ン「りんかい線クリスマスステーション」の一企画。東京臨海高速鉄道の東京テレポート駅にポンキッキシリーズの特設店舗を設置、協賛企業がコラボ商品などを販売し、週末にはガチャピンとムックが駅に出現してキャンペーンを盛り上げていくというものだ。
ガチャピンとムックは、日本でもトップクラスの人気を誇るキャラクター。このキャラクターを使ったキャンペーンの実現はハードルが高いとされるが、どのように企画・準備され、実現に至ったのだろうか。
東京臨海高速鉄道のりんかい線は、江東区の新木場駅から、フジテレビのあるお台場を通過し、品川区の大崎駅までをつなぐ路線。お台場といえば「ゆりかもめ」というイメージを持つ人も多いだろうが、りんかい線もJR埼京線と相互乗り入れを行っているため交通の便は良い。江東湾岸地区の開発が進んできたことで乗降客数は増加傾向にあり、2006年度決算では1996年の開業以来初の営業黒字を達成した。
さらなる乗降客数増加のため、東京臨海高速鉄道が取り組んでいるのが東京国際展示場やフジテレビを始めとするお台場地区への集客。企業本社や商業施設の誘致、イベントの実施などを行っている。東京臨海高速鉄道は東京都が9割超を出資する都の外郭団体ということもあって、お台場地区の企業をまとめる事務局の役割も担っているのだ。
このような動きの中でフジテレビKIDSと協力して生まれた企画が、ガチャピンとムックのりんかい線への露出である。りんかい線開業15周年記念企画として、もともとは2011年3月19日〜4月10日に行う予定だったが東日本大震災のため延期。それから3カ月後の8月13日〜28日に開催することとなったた。「ガチャピン・ムックの ともだちステーション」と題して、ガチャピンとムックが車内パトロールをしたり、キャラクターグッズを販売する雑貨店をオープンしたりした。
キャンペーンの目的は、「お台場に行こう」「りんかい線って面白そう」という思いを一般のお客さんに広げること。そうすることでお台場地区が活性化し、りんかい線の乗降客が増加することを狙っているのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング