米国市場の引け後の決算動向や円安を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年01月25日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は相変わらず上値の重い展開ですが円安となったことや米国市場の引け後にアップルが好決算を発表したことから買い先行となりました。ちょうど先週と同じように外国人も金額は買い越し、株数は売り越しと伝えられたことや寄り付きの買いが一巡となった後に先物に仕掛け的なまとまった買いが入るというようなところは先週の相場を髣髴とさせ買戻しを急ぐ動きもみられました。さすがに最後まで買い上がるということでもなかったのですが、復興関連銘柄やスマートメーター関連に続き大小の海運株が仕手化して、目先筋の買いを集めて大幅高となりました。

 日経ジャスダック平均が先週から戻り高値を抜けてきたことや、復興需要関連銘柄やスマートメーター関連銘柄に続き、海運株が仕手化したことをみると、個人投資家やディーラーなどの手の内が改善し買い方の回転が効いてきたのだと思います。為替が円安に振れた、特に豪ドルやユーロで円安になったということはリスク許容度が上昇したということでもあり、これもまた買い方の回転が効く要因となっているのだと思います。

 相変わらず腰の据わった買いがみられるということでもなく、まだまだ買い戻しが主体ということで、下に振らされる場面もあると思いますが、為替が再度円高傾向にならなければ底堅さもみられ、今度は8500円〜600円水準を割り込まず底堅さも見られるのではないかと思います。先々週末がぎりぎり8500円で引け、先週が8750円をぎりぎりで抜けたところでの引け、そして今週は?と考えると2005年夏の「郵政解散」の時の相場のようにオプションのヘッジでの先物買いで指数を押し上げるという可能性もありそうです。

 昨年の大震災時は逆にオプションのヘッジでの先物売りで指数を押し下げた面もあり、その後の膠着相場で「オプションの売りに限る」とみられていただけにいったん指数に大きな動きが出ると、想定された以上の動きになる可能性がありそうです。為替次第という感じもありますが、そうした大きな動きになることで「節分天井、彼岸底」となるというよりは、「節分天井、彼岸天井」となるのではないかと思います。2005年の時のように一気に上昇となる可能性も高そうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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