目先的な過熱感や達成感から週末の手仕舞いに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月10日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は堅調、ユーロ高もあって買い先行となりましたが、寄り付きの売り買いが一巡となると週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。それでも売り急ぐ動きも少なく、買い戻しも入り指数は小動きとなりました。昨日まで売られた銘柄が買われ、買われていた銘柄が売られるというような週末の持高調整が中心とみられ、方向感に乏しい展開となりました。日経平均が9000円を抜けたということで達成感からの売りもあり、最後は下げ幅を拡大しての引けとなりました。

 先物・オプションのSQ(特別清算指数)も特に波乱のない展開となりました。昔は波乱もあったのですが、最近では特にオプションのSQということで大きな波乱もなく終わることが多いようです。先物やオプションが始まった当初はオプションは毎週SQがありましたし、先物もそうですが、引け値がSQ値となっていたのです。

 それが、1989年の12月のSQのように引け値操作のような動きで引け値での売り買いが多く、結局引け値がつかずざら場引けとなるということもあって寄り付きの値段に変わったのです。それでも寄り付きぎりぎりまで売り買いを出さなかったり、間に合わずにとんでもない値段がついたようなこともありました。

 昔は今ほど日中の値動きをみて取引をするような個人投資家(投機家)が少なかったこともあり、ある程度乱暴なこともありましたが、一般投資家が「板」を見ながら売買するようなことが多くなると、変なテクニックなどが使えないということも多くなりました。小手先のテクニックで何とか儲けようとする向きも多く、相場の大きな流れが軽視されることもあるのではないかと思います。ただ、大きな流れに逆らっては日々の売買もうまくいかないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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