予想を上回る経済指標やギリシャ問題の進展を好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月17日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9238.10▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>12904.08△123.13

<NASDAQ>2959.85△44.02

<NY為替>78.90△0.46

予想を上回る経済指標やギリシャ問題の進展を好感して堅調

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想に反して減少、雇用の改善が続いているとみられることや住宅着工件数も予想を上回るなど好調な景気を裏付けるような指標の発表を受けて買われました。朝方はギリシャ問題の不透明感もあって上値も重く冴えない動きでしたが、ギリシャ問題に進展がみられると好調な経済指標に改めて反応するように堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。金融株の一角に長期債務格付けの引き下げの話題もあったのですが、朝方は反応して上値も重かったものの、好調な景気動向や欧州金融不安が薄れたことで問題視されることもありませんでした。

 まだまだ、欧州金融不安が完全に払拭されたということでもないのですが、米国景気自体が堅調となっており、改めて買い直されたものと思います。QE3(量的緩和)云々といっているうちに実体経済の回復がみえてきたということで、まだまだ紆余曲折もあるのでしょうが、いわゆる「金融相場」から「業績相場」に移行していくのではないかと思います。企業業績や経済指標の発表などに一喜一憂しながら、手仕舞い売りをこなしながら堅調な展開が続きそうです。

 個別には格下げの話題などもあったのですが、ギリシャ問題に進展がみられたことから金融株が高く、バンク・オブ・アメリカは大幅高、シティグループやJPモルガン・チェースも堅調となりました。米国景気の順調な回復を受けて、アルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)といった景気敏感株もアップルやインテルといったハイテク株も総じて堅調、マイクロソフトは大幅高となりました。GM(ゼネラル・モーターズ)も1株利益などは予想に届かなかったものの、好調な販売状況などを受けて大幅高、連れてフォード・モーターも大幅高となりました。金や原油の先物も堅調でエクソン・モービルなど石油株やパブリックゴールドなどの金鉱株も高く、ホーム・デポやウォルマート、コカ・コーラなど消費関連銘柄も高くほぼ全面高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を嫌気して売り先行となりました。ただ、寄り付きの売りが一巡となった後は昨日に続き買戻しを急ぐ動きから堅調となる場面もありました。それでも昨日の高値を抜けないとみると手仕舞い売りも嵩んで軟調となり、最後も見切売りも出て冴えない展開となりました。外国人も株数は売り越し、金額は買い越しと方向感ははっきりとせず、為替が円高の割には売り急ぐ動きも少ないなど底堅さはみられるのですが、買い上がるだけの手掛かりもなく目先的な過熱感もあることから軟調となりました。

 米国株が堅調で円安となったことから日本市場も買い先行となりそうです。円高が止まったという見方も出てきており、改めて買戻しを急ぐ動きや割安感を見直す動きとなってくると思われます。特に輸出株が買われるというよりも全体的な水準訂正のような展開が期待され、出遅れ感が強い銘柄、割安感が強い銘柄、そして売られすぎた銘柄などが戻りを試す動きになってくるのだと思います。ただ、目先的な過熱感が強いことや週末ということもあって手仕舞い売りも多いものと思われ、上値もある程度限られてきそうです。

 9200円〜300円水準での底堅さを確認する動きとなっていますが、目先的な過熱感もあり、さすがに一気に次の節目である9500円〜600円水準を目指すということでもないと思います。いったんは9200円〜300円水準で底堅さを確認するような調整もあると思われます。これ以上円高にならないということがだいぶ確信に近づいており、少なくとも売り急ぐ動きにはなりそうもありません。まだ欧州金融不安などの状況によっては8800円〜900円水準までの調整の可能性もありますが、徐々に現在の水準=9200円〜300円水準での底堅さがみえて来そうです。

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