(7)よく検査するのは熱心ないい医者だ
詳しい病歴の聴取と丁寧な身体診療の所見から、8割くらい診断がつくといわれます。そして、検査はその裏づけのためのものという位置づけです。
しかし、これには昨今、数値や画像などの客観的な証拠が示されないと承知しないという患者側の事情や、後で見逃しといわれるのを防ぐ訴訟対策、収入増を図るという医療経営上の問題などが考えられます。
患者側も、このあたりの事情はわかっているようで、「集い」でも生活習慣病で通院している年金生活者から、よく苦情を聞かされます。「異常がなかった」といいながら、なぜ、毎月、あるいは2カ月に一度も検査をするのか、あれは私の身体のことを考えてくれているのではなく、病・医院の経営のためではないのか、と。
ただ、薬という身体にとっての異物を長期間服用する以上、安全面から副作用の早期チェックという面もあります。このことが定期検査の意味に含まれていることも、忘れてはいけないと付言しています。
しかし、限りある医療資源という観点からも、やはり納得してもらえる説明ができない検査はすべきでないでしょう。
それに、精密検査をすれば、たしかに詳しくはわかるでしょうが、その結果を踏まえて好転させる手立てがあるかどうかが重要なのです。わかりさえすれば何とかなるはずと誤解している向きの、何と多いことでしょうか。中には、辛い、苦しい、恥ずかしい検査もあります。なのに、ただわかっただけというのでは、何のために耐え忍んだのかわかりません。
今後は、患者側も、結果に対して好転のすべがあるかどうか確かめたうえで、精密検査を考えるべきでしょう。
(8)医者にあれこれ質問するのは失礼だ
自分の身体のこと、病気のことなので、充分に納得いくまで聞いた方がいいと思います。嫌な顔をしたり、自分を信用できないのかなどと怒鳴りつけるようなら、即刻、医者替えをお勧めします。
特に、むずかしい病気、耳にしたこともない病気などの場合、別に時間をとってもらい、家族や友人に同席を頼み、許可をもらって録音したり、イラストを使っての説明を求めればいいと思います。これらの要求を拒否されたら、これまた、医者替えの対象となるでしょう。
なぜなら、悪い結果が出た場合、被害を蒙るのは医者ではなく、患者自身だからです。?想定外?のことが起こって、「信頼して任せたのに」と臍を噛んでも、医者は痛くも痒くもない。それは、患者の勝手な思い込みの結果にすぎないのです。
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