売り先行となるも先物のまとまった買い戻しも入り堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2012年02月28日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9722.52円 △88.59円
売買高 25億0724万株
売買代金 1兆4741億9500万円
値上がり銘柄 935銘柄
値下がり銘柄 589銘柄
騰落レシオ 139.92% △4.30%

日経平均

半導体メーカーの破綻や円高、目先的な過熱感を嫌気して売り先行となるも先物のまとまった買い戻しも入り堅調

 昨日の引け後に半導体メーカーの破綻が伝えられて、為替も大きく円高に振れたことや目先的な過熱感が強いことから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となって戻り歩調となった後も売り直されて、大幅安となる場面もありました。それでも、円高といっても一時期よりは円安水準にあることや、半導体関連銘柄への連想売りも限定的となったことなどから底堅い展開となり、底堅さが確認されると下げ幅縮小となりました。

 昼の時間帯から後場の中ごろまでは方向感に乏しい展開となり、軟調ながらも底堅い展開が続きました。後場中ごろから底堅さを確認したかのように先物主導で一気に買い上がる動きとなり、日経平均は堅調となる場面もみられました。何度か上値を試すような動きも見られたのですがさすがに昨日の終値を上回るような場面では追随する動きも限られ、売り急ぐこともなかったのですが、買い急ぐこともなく、振れ幅は大きくなったものの方向感に乏しい展開となりました。最後は先高期待や明日の月末のお化粧買い期待からの買い、買い戻しを急ぐ動きもあって堅調、高値引けとなりました。

 小型銘柄はさすがに手仕舞い売りに押されるものが多くみられ、軟調となるものも多くなりました。それでも売られたものが買われ、買われたものが売られるという状況で売り急ぐ動きも限られ、底堅さもみられました。二部株指数は31日ぶりに軟調となり、東証マザーズ指数も軟調、日経ジャスダック平均は小幅高となり、ジャスダックTOP20は大幅安となりました。先物は朝方は売り先行となり、上値も重く、上値の重さを嫌気した売りに押されて下値を試す場面もありました。それでも底堅さが確認されると仕掛け的な買いが入り一気に上値を試す動きとなり、一気に100円以上買い上がるような場面もみられました。ただ、その後は右往左往しながら方向感のない展開となり、最後は買戻しを急ぐ動きもあって昨日の高値を抜けて高値引けとなりました。

 基調は強いということでしょう。今朝、テレビ番組に出演した際にも「押し目」なのか「下落の始まり」なのかどちらなのかという質問がありましたが、やはり為替も株価も「押し目」と考えて良いのだと思います。日銀の政策スタンスがはっきりとしたことで、為替も株価も商品相場も大きな流れは決まったということではないかと思います。半導体メーカーの破綻やその影響での円高なども目先的な過熱感を冷ますには良い押し目ということではなかったかと思います。「戻れば売り」というよりは「下がれば買い」という雰囲気になっており、本日も堅調となったのだと思われ、目先的な過熱感を冷ましながら基調は強含みに推移していくのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 売り先行となったのですが、一気に切り返しました。昨日の高値を抜けなかったことで逆に「最後の抱き線」という包み足とならず、強含みの基調が続きそうです。ただ、RSIやストキャスティックスは引き続き高値圏にあり、上値の重さを意識して本日の大きな陽線の中でのもみ合いで日柄調整となる可能性もありそうです。

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