ワクコンサルティング株式会社執行役員・チーフコンサルタント。名古屋工業大学産業戦略工学専攻修了後、大手化学工業品メーカーで商品企画開発に従事。その後、事業開発プロジェクトのプロジェクトリーダーとして、問題分析手法を活用した業務改革テーマの創出や、サービスサイエンスを取り入れた新規事業戦略立案に貢献。現在はサービスサイエンスおよび新規事業開発を中心に支援を行っている。
先日の記事「スターバックスに学ぶ、顧客満足度向上のポイント」が好評でしたので、引き続きスターバックスを事例として「サービス品質をいかに高めるか?」について考えてみたいと思います。
まず、サービスの現場でサービス品質を高めるための努力がどのように行われているか、振り返ってみてください。
例えば、上司が部下に「サービス品質を上げろ」と指示を出したものの、部下は具体的に何をどう努力したらいいか分からない……ということがよくあるのではないでしょうか。また、サービススタッフが大変優秀で、サービス品質向上の工夫は現場任せになっていて、スタッフひとりひとりでやり方や品質がばらついてしまっている……ということもありそうです。
いずれにしても、サービス品質をどうやって向上させるかについて、経験や勘だけに頼らない論理的な議論やサービス設計をして、品質を高められている企業はまだまだ少ないようです。もちろん、サービスにはセンスやカリスマ性も重要ですが、そういった逸材にだけ頼るのではなく、組織的にサービス品質をいかに高めるかについて、今回の記事が参考になればと思います。
「スターバックスに学ぶ、顧客満足度向上のポイント」の冒頭でこんなことを書きました。
「スターバックスといえば、質の高いサービスの代表例ではないかと思います。入店と同時に聞こえる印象の良いあいさつ。注文の際の共感性のある親しみあるコミュニケーション。素早く正確なコーヒーの提供。混雑時などの状況に応じた柔軟な席案内。ゆっくりくつろげる安心感ある空間と雰囲気。
何度行っても満足して、また行きたくなるという方も多いのではないでしょうか。このような高いCS(顧客満足)の評価を得て、リピーターを獲得することができるサービスは、どのように生み出されているのでしょうか?」
特にどのあたりに共感できるでしょうか? 実はすでにこの中に「サービス品質6つの視点」が書かれているのです。
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング