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» 2012年04月18日 08時01分 公開

『コクリコ坂』が転機に!? 揺れるジブリのビジネスモデルアニメビジネスの今(2/4 ページ)

[増田弘道,Business Media 誠]

ジブリの方向性

 ジブリが今後同様の経営を続けようと思うなら、ポイントはやはりキーとなる演出人材において宮崎監督に次ぐヒットメーカーを輩出できるかだろう(作品経営を行うプロデュース面でも同様であるが)。

 これに関して言えば、『ゲド戦記』『コクリコ坂から』で宮崎吾郎監督、『借りぐらしのアリエッティ』で米林宏昌監督といった若手が育ちつつあり、その後も西ジブリなどの人材育成を行っているので期待できる。また、人材の流動性が高い業界でもあるので、生え抜き以外の有能な人材の起用といった手法も考えられるだろう。

 また、人材育成がうまく運べば、ピクサーのように年1作体制に移行するという手段もあるだろう。ピクサーではしばしば共同監督という形で新しい人材を起用しており、長編作品の監督クレジットに名を連ねている人材は『トイ・ストーリー』シリーズのジョン・ラセター氏以下すでに10人に達している。

 ピクサーと並ぶハリウッドアニメーションの雄であるドリームワークスは、2010年からすでに年2〜3作品体制に入っている。当初、「粗製濫造になるのでは」という懸念があったが、次表の2010年以降にリリースされた5作品についてはすべて成功の目安になる北米における1億ドル以上の興行収入を達成し、ワールドワイドでも好調である。

2010年、2011年ドリームワークス作品興行収入(単位:1000ドル、出典:BOXOFFICE MOJO)

 北米興行収入歴代4位に輝いた『シュレック2』(2004年)のようなウルトラヒット(現在は6位。北米興収4億4123万ドル、全世界9億1984万ドル)は出なくなったが、手堅くはなった印象は受ける。ただし、このような量産体制はCGアニメーションだからこそ可能なのであり、手描きのセルアニメの場合非常に困難である。ジブリのクオリティを維持しようとするならなおさら難しくなるが、人材次第だろうが年1作であれば何とか可能性はあるのではないか。

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