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» 2012年06月06日 08時00分 公開

マクドナルド、“個人仕様”クーポン成功のロジック(2/2 ページ)

[松井拓己,INSIGHT NOW!]
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クーポンを通して「サービスを共創する」

 このクーポンは「クーポンを使えば使うほど、より自分に合ったクーポンが配信されてきて、さらにクーポンを使う気になる」というサイクルがうまく回っています。このような考え方を、サービスサイエンスでは「サービス共創モデル」と呼んでいます。この「サービス共創」を実現することが、個人仕様クーポンの成功を大きく左右するのだと思います。

 では、サービス共創モデルとは何かを簡単にご説明します。サービス共創モデルとは、サービス提供者とお客さんが相互に刺激し合うことでサービスを高めていくというモデルです。具体的には、例えば次のような4つのステップでサイクルが回ることで、サービスがスパイラルアップしていきます。

1.アクション:サービス提供者がサービスを提供する

2.評価:お客さんがサービスを高く評価(大満足・感激)する

3.フィードバック:お客さんからサービス提供者に高い評価を伝えてもらえる(感謝の言葉・チップ・顧客紹介など)

4.ブラッシュアップ:サービス提供者が意気に感じて、さらにサービスを磨き上げる→1に戻る

 ここで重要なポイントとなるのが、お客さんからフィードバックをタイミング良くもらえるサービス設計ができるかどうかです(もちろん質の高いサービスを提供することは重要です)。例えばフィードバックのタイミングや頻度は、サービス提供完了後に1度だけなのか、サービス提供中に何度もフィードバックしてもらいながら、お客さんとサービスを共創していくのかを考えて設計する必要があります。

 ではマクドナルドの個人仕様のクーポンの仕組みを「サービス共創モデル」に当てはめてみましょう。

1.アクション:マクドナルドがお客さんに合わせてクーポンを提供する

2.評価:お客さんがクーポンを使う/使わない(クーポンがお客さんの期待に合っている/いない)

3.フィードバック:会計の際にお客さんがどのようにクーポンを使用したか/しなかったかの情報がマクドナルドに提供される

4.ブラッシュアップ:お客さんの利用状況をもとに、さらにお客さんに合ったクーポン提供を検討する→1に戻る

 このサービス共創のサークルを回して、「クーポンを使えば使うほど、より自分に合ったクーポンが配信されてきて、さらにクーポンを使う気になる」というお客さんをどれだけ増やせるかが、個人仕様のクーポン成功のカギだと思います。現在さまざまなタイプのクーポンが出てきていますが、サービス共創(お客さんと一緒にサービスを作り上げる)という視点で考えてみると、まだまだ改善の余地があるのかもしれません。(松井拓己)

 →松井拓己氏のバックナンバー

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