2年間の世界一周の旅から帰ってきて思ったこと世界一周サムライバックパッカープロジェクト(2/3 ページ)

» 2012年08月07日 08時00分 公開
[太田英基,Business Media 誠]

その2:世界を見ながら修行をし、30歳までに世界で戦える人間になること

 こちらは僕個人の目的です。旅を通して得たいと思っていたモノが3つありました。「語学力(英語)」「世界中の人とのつながり」「世界中のリアルを目と肌で感じて学ぶこと」の3つです。

 まず語学力についてですが、旅の始めに僕はフィリピンで3カ月間英語留学をしました。その時の経験については著書である『フィリピン「超」格安英語留学』にまとめたですが、旅立つ前の僕の英語力は……とてもとてもひどかったですね。高校時代の僕の英語偏差値は40を下回っていたと記憶しています。

 大学受験も指定校推薦で決まってしまった僕は、しっかり英語を学ぶことがないまま大人になってしまいました。文法も正直、1ミリも理解していませんでした。そんな僕でもフィリピン英語留学を3カ月経験し、その後も四苦八苦しながらも徐々にレベルアップしたことで、今ではそこそこ話せるようになりました。

 英語から逃げっぱなしの人生に終止符を打てたことは、僕としては本当に大きな一歩です。帰国してからの趣味は「渋谷で迷子になっている外国人を助けること」という、何とも恩着せがましいことになっています。異国の地で多くの人に世話になった僕なりの恩返しのつもりなんですけれどね。

 英語以外の2つについてはカウチサーフィンが多大なる貢献をしてくれました。カウチサーフィンとは旅行者が利用するSNS(→参照記事)。カウチサーフィンを活用して、欧米はもちろん、アフリカやインドでも、世界中の現地の人の家に200泊ほどホームステイさせていただいたり、一緒に御飯を食べたりと、大変濃い時間を過ごさせていただきました。カウチサーフィン経由でつながった人も数百人います。

 僕はガイドブックを持たない旅をしました(一部の国では使いましたが)。いつも次の土地でお世話になる予定の現地の人に、その土地の見どころやおいしいレストランといったおすすめスポットを教えてもらっていました。ガイドブックより、その方が間違いない情報だと思っているからです。

ヨルダンにて

 旅行ガイドブックに依存する旅だと、どうしても手あかのついた観光地にばかり足を運ぶことになります。しかし、カウチサーフィンで出会う人たちはいつも観光地とは異なる場所に連れていってくれました。現地の人が好む屋台やお店、超ローカルなクラブ……そうして毎日のように現地の人と交流し、お互いの国の文化の違いや社会の仕組みについて語り合う中で、その国のリアルをちょびっとではありますが学べました。

 ラマダンにサッパリ取り組まないイスラム教徒もいれば、神聖と呼ばれる牛を食べてしまうヒンドゥー教徒のインド人もいました。本当に貴重な経験を毎日のようにさせてもらいました。これからはその国のことについて知りたいことがあれば、彼らにFacebookやメールなどで質問できます。もちろん、彼らが日本のことについて知りたい時には僕が手助けします。とても大切なつながりを紡いできたのだと思います。「死ぬ前にもう一度、彼らに会いにいけたら」と思います。

 まだまだ未熟者ではありますが、一歩世界を知り、つながることで前進できたと思っています。では果たして世界で戦えるレベルに到達したのか? それは戦っていないので不明です。やはり今後の結果が証明するということでしょうか。結果を持たない人がいくら言っても説得力がないと思いますので、今しばらくお時間をいただけたらと思います。そもそも「戦う」という表現が適切なのかどうかも再考しないといけないですね。

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