不景気は関係ない? モノを扱う雑誌『MonoMax』が売れている理由仕事をしたら“30代男性”が見えてきた(前編)(3/6 ページ)

» 2012年08月16日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

土肥:でもファッション関連を扱う雑誌って、たくさんありますよね。苦労されませんでしたか?

柚木:正直、苦労しました(笑)。『MonoMax』という雑誌の名前を知っている人も少なかったので、「企画で勝負するしかないな」と思っていました。当時は「どれだけ極端なことができるか」を意識していましたね。

 具体的にどのようなことをしたかというと、ひとつのブランドを大きく取り上げました。そのブランドのファンの人たちに、どのようにすれば買ってもらえるのか。他誌であれば特集は6ページほどなのですが、『MonoMax』ではひとつのブランドだけで40ページほどの特集を組んだりしました。

土肥:勝負に出ましたねー。

柚木:無茶をしなければ「雑誌の部数を伸ばすことは難しい」といった恐怖感もありました。その特集は好評だったので、次はこのブランドで、次はこれで……といった感じで、人気のあるブランドを取り上げていきました。

雑誌の読者は30代の男性が中心

土肥:雑誌の読者は30代の男性が多いそうですね。私は40代の人間なのですが、30代ってどのような特徴があるのでしょうか?

柚木:仕事が忙しいので「とにかく時間がない」といった人が多いですね。なにかを買おうと思っても、忙しくて、なかなかお店に行けない。昔は選ぶことが好きだったのに、今は忙しいので面倒くさい。モノを購入するにあたって「決めてほしい」という気持ちが強いのではないでしょうか。

 30代の男性は「何かを決めてほしい」という気持ちがあると思い、2009年に「カバン オブ ザ イヤー」を企画しました。これはその年に発売された全カバンの中からプロの職人さんなどが、優れたカバンを選ぶというもの。でもこの企画って……大胆ですよね。世間ではあまり知られていない雑誌が、その年の最も優れたカバンを選ぶのですから(笑)。

土肥:ハハハ、確かに。で、読者からはどのような反応がありましたか?

『MonoMax』2012年9月号より

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