不景気は関係ない? モノを扱う雑誌『MonoMax』が売れている理由仕事をしたら“30代男性”が見えてきた(前編)(2/6 ページ)

» 2012年08月16日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
『MonoMax』の柚木編集長

柚木:聞かれますね。昔は「自分にはウリがないなあ」と思っていました。でもどの業界にも「プロ」と呼ばれる人たちがいて、素人の自分がそうした人たちの“域”に達することはなかなかできません。プロ以上に詳しくなることはできませんが、プロの人たちと話をしながら何かを創ることはできるかもしれない。もちろん専門分野を勉強して詳しくなることは大切なのですが、プロの人たちと話をして、それを知ることも強みになるのではないでしょうか。

 編集者というのは「自分がプロにならなくても、プロの人たちと一緒に仕事ができる職業」だと思っています。

土肥:ところで『MonoMax』の誌面を見ていると、さまざまなジャンルを取り扱っていますよね。中でもファッション関連が、全体の5割ほどを占めている感じでしょうか。以前の『MonoMax』といえば、デジタル製品を中心に誌面が構成されていたように思うのですが……。

柚木:創刊当時はデジタル系の雑誌でした。テレビやデジカメなどが、全体の6〜7割を占めていましたね。「20〜30代の男性はどういったモノに興味があるのか?」を常に考え、新商品を追いかけていました。

 当時は本当にベストを尽くしたのですが、雑誌はなかなか売れず……(涙)。

土肥:そこで編集方針を変更されたのでしょうか?

柚木:はい。2009年11月に編集長になったのですが、その半年ほど前からファッション関連の情報を増やしていきました。

土肥:ファッション系の雑誌が売れる、と判断されたわけですね。

柚木:はい。デジタル製品であれば「どの商品がいいのか?」といった比較サイトはたくさんあります。しかしファッションに関してはそうしたWebサイトはないし、編集部にもその分野に詳しい人間がたくさんいたので「ファッションでいこう」と決めました。

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