実際、マーケティングリサーチャーはしばしば、集計・分析結果を読むだけでなく、それ以前の「生データ」(エクセル表で展開可能なもの)や、あるいは郵送調査などであれば、「調査票原票」に立ち戻ってデータ全体を俯瞰的に眺めることがあります。そうすると、不思議なことに、新たな切り口や課題が浮かび上がってくるのです。
今、ビジネスの現場では、日々増殖する「ビッグデータ」をどうやって効率的に処理し分析するかが大きな課題の1つです。しかし、データ処理・集計ソフトに依存しすぎることなく、できるだけ生データに近いレベルで「人力マイニング」を行い、コンピュータはまず教えてくれない「深い洞察=Insight」を発見しようとする努力も必要でしょう。(松尾順)
※アサヒビールの事例は、『日経情報ストラテジー』(OCTOBER 2012)から引用しました。
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