ヤミ金に頼ってしまった、とある業者の話「弱者」はなぜ救われないのか(最終回)(2/3 ページ)

» 2012年09月28日 00時00分 公開
[増原義剛,Business Media 誠]

 ところが、改正貸金業法の話が国会で論じ始められたころから雲行きが怪しくなりだした。2006年から2007年ごろにかけてだ。過払い金問題なども表面化してきたため、それが本格的法施行になる空気を察知して有力ノンバンクがドンドン貸し出しを締めはじめた。

 「気がついたら、もうどこも貸してくれない。私も慌ててもがいた。それでHPなどでお金を貸してくれるところがないかと調べまくった。そうしたら、いままでのノンバンクと同じぐらいの金利で、仙台でカネを貸してくれるところを見つけた。新幹線に飛び乗ってカネを借りにいった。話を進めると最初は150万円を年利15%で貸してくれるというから小躍りした。しかし、最後の最後、土壇場になって、今回は初めての付き合いなので100万で月20%にして欲しい。実績ができたら最初言っていた15%の取引にすると。月20%ということは年利240%。結局、そこは今考えればヤミ金だった。そこは迷った末、私は最終的にカネを借りずに帰京した。  

 ところが、それ以来、会社に24時間ヤミ金からの融資はどうかというファックスや電話がかかるようになった。最初は無視していたが、結局資金ショート寸前で、あちこちヤミ金行脚が始まった。まあ、どこもトサン、10日で3割。なかなか決断できなかった。最初に10日で3割の実績を作れば次は1割でやるなどと言うが、次いくと前の担当者が病気になった、前の担当者が交通事故で入院した、話を聞いてないので、もう一度10日で3割やってくれれば次は必ず1割でやるからなどとデタラメ話。そんな与太話に付き合っていられない。しかし一度だけマジで実績を作ろうと最初に言ったように090金融で30万円借りて40万円返した例がある」。

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