注文はFAXと人海戦術だなんて……超アナログな出版業界の衝撃Google副社長の発言が(後編)(3/4 ページ)

» 2012年11月09日 08時00分 公開
[村上福之(クレイジーワークス),エンジニアtype]
エンジニアType

「もうええねん」と言いながら、ソーシャルの集合知で戦う

 ご存じのように僕は、出版業界は完全に素人です。そして“現在の”版元であるNanaブックスも、ベストセラーを出した経験がありません。そうなると、ノウハウは外部の知識に頼るしかありません。

 Twitterで出版業界の人に呼びかけて、僕の個人メールアドレスにさまざまな成功や失敗事例を送っていただきました。その節は、みなさん本当にありがとうございました。そんな中で「購入特典としてQRコードで自作の曲のMP3付けたら面白いかも」というご提案もいただきました。

 その他、みなさんからいただいた多くの提案を実行し、そのたびに、版元の一部の方や、時には編集から反論もありましたが、強引に実行したらAmazonの予約数が増えました。荒尾さんが味方になってくれていたので、全体的にうまくいきました。

 また、Facebookで知り合ったいろいろな出版関係者の方々から、ものすごくたくさんの知恵と情報をいただきました。取次さんとの付き合い方から各種の予算の組み方、発行部数と販売部数の関係や重版のタイミングなど、本当に勉強になりました。

TAKUYAさんに作曲依頼

 「購入特典のMP3をつけると話題性があるかも」と提案をいただいて以来、それが頭の中でグルグルしていました。

 悩みに悩んで、元JUDY AND MARYのTAKUYAさんにお願いすることにしました。

 これまでにも何度か一緒にお酒を飲む機会があって、僕みたいなゴミ人間が言うのもなんですが、別に芸能人だからどうのこうのではなくて、人として尊敬できると同時に、何か「神がかり的にオモロマニアック」な人の匂いがしたので、一度、無理にでも機会を作ってかかわりたいと思ったからです。

 僕は基本的に寂しがりのくせに人付き合いが嫌いなので、どんな有名人でもかかわろうと思うことはあまりないのですが、無性にお願いしてみたい衝動にかられたのが一因です。

 これについては誠ブログに書いているのですが、Facebookのチャットでいきなりお願いしました。実は、これがTAKUYAさんとの初チャットです。テキトーに頼んでいるように見えますが、頼もうと決心するまで1カ月かかりました。お願いする時は、すごく緊張しました。ワケが分からなすぎて、なぜにスラッシュロック風とお願いしたのか、今ではまったく意味が分かりません。

 しかし、お陰で音痴の僕でも叫ぶだけで良いレコーディングになりました。本気で怒られるかと思ってましたが、快諾していただいたのでお願いして良かったです。

 おかげで、発売後「何の本か分からないけど、TAKUYAさんのファンなので」という人が買って行ったりしました。

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