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» 2012年11月15日 08時00分 公開

なぜ権力者は不倫をするのか オンナで破滅したCIA長官伊吹太歩の世界の歩き方(2/4 ページ)

[伊吹太歩,Business Media 誠]

エリート中のエリート、これからの米国を担う男

 それにしても、なぜこうして大物の権力者たちは、不倫で身を滅ぼすのか。不倫ですべてを失うパターンは日本の政界でもあるが(「モナ男」こと民主党の細野豪志政調会長などを見るかぎり日本はまだ寛容なのかもしれない)、それは米国でも同じだ。

 ペトレアスという名前はあまりなじみがないかもしれない。彼はエリート中のエリートで、名実ともに米軍を支えてきた。その能力は抜きん出ていると評価されている。米中央軍司令官として、イラクとアフガニスタンの2つの戦争で米軍部隊を率いて戦った。イラク戦争では米軍の増派を成功させ、米中央軍司令官に就任した。その後、CIAの長官にまで上り詰めた。

 彼の前には、さらに上のキャリアが待っていたはずだ。というのも、先日再選を決めたオバマは、第2次オバマ政権でペトレアスを次期国防長官に据える予定だったとみられている。現在のレオン・パネッタ国防長官がCIA長官上がりであることを考えれば、それは既定路線だったのだろう。

 また特に最近では、米軍は米国人から大きな支持を得ており、次期大統領にと期待の声が上がったこともある。実際にCIA長官を退いたことを受けて、米国のメディアなどでは惜しい人物を失ったとの声が上がっている。それほど、これからの米国を担う男として期待されていた。

 ただ問題は不倫だけにとどまらない。CIA長官という地位は、米国の機密情報を統括するトップである。そんな人物が、ジャーナリストと特別な関係を築いていたとなれば、彼がいくら機密情報は何ひとつ漏らしていないと主張しても通らないだろう。

 事実、ペトレアスが自ら辞任したのは、不貞の罪悪感に耐えかねたからではない。米連邦捜査局(FBI)が、不倫についてのタレこみを受けて、捜査を開始したからだ。要するに、大騒ぎになるのは間違いないので、先に辞任しようということだった。それでも、この件は今後さらに広がりを見せると思われる。

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