出口:言いましたよ。すると、その社員はこう言ってきたんですね。「『アホ』は、出口さんです」と。
土肥:うわーっ、社長に対して「アホ」と言いましたか。
出口:さらにその社員は「60代の人からすると、ふざけているように感じるかもしれませんが、僕は20代なので分かるんです。この企画を保険会社がやれば、ほとんどのお客さまは親近感を持ってくれるはず。この会社のことを好きになってくれますよ」と言いました。
さらに「60代の人には20代の気持ちはなかなか分からないので、僕の言うとおりにしてください」とも話していましたね。
土肥:そんなことまで言われると、激怒しちゃいますよね。
出口:いえ、その社員の言うとおり、60代の人間は20代の気持ちなんて分からんな……と思いました。
土肥:な、なんて寛容な。
出口:お前、自信あるんやな? と聞いたところ「もちろんですよ。自信のない企画を誰が持ってくるんですか」と胸を張っていました。
それを聞いて、私は「分かった」と言いました。ただそのときは、“腹をくくり”ましたね(苦笑)。彼の言うとおり、「面白い」と感じてくれるお客さまは6割くらいはいるかもしれませんが、残りの4割は「怒る」はずだと。
それでも、まあいいかなと思いました。20代の若者がここまで言うのであれば、と。そして翌日、実際にやってみて、一番の誤算は何だと思いますか?
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