インタビュー
» 2013年02月25日 11時00分 公開

ドット絵のレトロゲーキャラが活躍――映画『シュガーラッシュ』プロデューサーに聞くアカデミー長編アニメ部門ノミネート(3/3 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]
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――普通の映画だと興行収入が一番大事だと思います。ただ、ディズニーの場合、ディズニーランドへの展開など、さまざまなことを考えないといけないと思うのですが、ディズニー作品に求められるものということについてどう考えていますか。

クラーク やはりディズニーとしては、映画を超えて、長くみなさんの記憶に残る作品を作りたいと思っています。ディズニーではテーマパークを運営していますし、マーチャンダイジング事業も世界中で展開しています。

 なので、リッチ・ムーアのプレゼンを聞いた時、これは本当にディズニーにピッタリだなと思ったんですね。『シュガー・ラッシュ』はディズニーのテーマパークのアトラクションになることもすぐ想像できましたし、子どもが遊べるおもちゃとして展開できるだろうとも思いましたし、実際のゲームにもできるだろうというように、映画以外にもポテンシャルを秘めた作品だと思ったので、この作品を手掛けることができて、すごく良かったと思っています。

――時代や地域を超えて愛される作品となるためには、あまりニッチなネタは取り上げてはいけないと思うのですが、コーラにメントスを入れると爆発するというようなシーンがあって、そもそもレトロゲームを取り上げているということもそうですが、『シュガー・ラッシュ』にはほかにもそういうネタが多いように見えて、ディズニーにしては攻めているなと思いました。

クラーク ディズニー映画としては、これまでの制約をどんどん突き破っていかないといけないということですね。映画にはすばらしいストーリー、説得力ある世界、ハートと感情を揺さぶる要素といったものが必要だと思うのですが、『シュガー・ラッシュ』は映画の視点としても非常に新鮮だったと思います。

 通常、ディズニーはおとぎ話を描くことが多いのですが、今回はゲームという現代の世界の設定で、非常に楽しい映画になる可能性を秘めているじゃないですか。しかも、『シュガー・ラッシュ』というキャンディの世界のゲームも作りましたし。なので、『シュガー・ラッシュ』はアニメーション会社としてのディズニーの可能性をより広げたと思っています。

――ディズニー作品はピクサー作品含めて、米国で大ヒットした作品でも日本ではヒットしていない作品も多くあると思います。日本市場について、どのように考えていますか。

クラーク 日本では、米国に比べて映画を見に行く機会が非常に少ない、そのため本当に見たい映画でないと劇場に足を運んでくれないと理解しています。なので、米国で映画を作るに当たっては、映画のテーマやコンセプトがどの国でも受け入れられるかということはいつも考えます。

 そして、『シュガー・ラッシュ』では日本のカルチャーをたくさん取り込んだので、日本でも受け入れられやすいのではないかと思いました。また、ビデオゲームを扱っていますし、ハートを揺さぶられるストーリーなので、日本だけではなく世界中で受け入れられると思います。

 みなさん、良いストーリーを愛してくれるのですが、それをうまく実現できるか、うまくいくかは本当にやってみないと分かりません。世界中で成功するかどうかというのは、なかなか予想が難しいところではあります。

『シュガー・ラッシュ』(リッチ・ムーア監督、ジョン・ラセター製作総指揮、3月23日公開)

 アクション・ゲームの悪役キャラクターのラルフの願いは、みんなに愛されるヒーロー・キャラになること。ある日、ついにラルフは我慢ができなくなり、自分のゲームを飛び出してしまう。迷い込んだのは、お菓子の国のレース・ゲーム『シュガー・ラッシュ』。そこでラルフが出会ったのは、不良プログラム(バグ)であるためにレースに出場できない少女ヴァネロペだった。

 嫌われ者のラルフと、仲間はずれのヴァネロペ──孤独な2人は次第に友情の絆で結ばれていく。だが、ラルフの脱走はゲームの掟に反し、このままではゲームの世界全体に災いをもたらすことになってしまうのだ。ゲーム・キャラクターたちがパニック状態に陥る中、ラルフは"シュガー・ラッシュ"とヴァネロペに隠された恐るべき秘密を知ってしまう。はたしてラルフはヴァネロペを救い、ゲーム界の運命を変えることができるのだろうか? そして彼は“本当のヒーロー”になることができるのだろうか……?


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