コラム
» 2013年03月29日 08時00分 公開

杉山淳一の時事日想:隠れ資産の有効活用は実現できるのか――貨物線旅客化の期待と課題 (5/5)

[杉山淳一,Business Media 誠]
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全国レベルの貨物輸送戦略の見直しが必要

 おそらく、JR貨物としては東京―川崎間の朝のダイヤは譲れない。JR貨物を納得させるためには、夜間の貨物列車をさらに高速化し、あるいは西日本全域の貨物列車のダイヤを見直しして、貨物列車の東京到着時間をもっと早くしなくてはいけない。そのダイヤ変更は、JR西日本におさまらず、西日本と東北、北海道を結ぶ列車に波及するだろう。

 前述のように、首都圏の貨物路線の旅客化が進んでいる。貨物列車の減少がきっかけとはいえ、貨物列車が追いやられた、増発が難しい事態になったという見方もできる。しかしいま、日本のローカル鉄道輸送を立て直すカギは貨物列車にある。

 少子化が進む一方で、環境面によるモーダルシフトから鉄道貨物が再注目されている。早急に全国隅々に鉄道貨物輸送を再構築する必要がある。そのためにJR貨物が改善すべき問題も多い。最大の要素は輸送コストにあるようだが、ダイヤ編成も改善が必要だろう。

 東海道貨物支線臨海ルートの旅客化について、ぜひ実現して欲しい。しかし、この地域だけの要望をゴリ押しして、全国の貨物輸送が不便になる事態は避けなくてはいけない。東京―横浜間だけの問題ではない。日本全国の輸送体系まで視野を広げた議論が必要だ。

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