新人研修で身につける「学ぶ力」を最大化するために必要なこと(1/2 ページ)

» 2013年04月09日 08時00分 公開
[柳田善弘,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:柳田善弘(やなぎだ・よしひろ)

エデュテイメントプラネット社長。社内教育担当者、教育事業者、学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。


 「学ぶ力」の差は時間の経過とともに能力に大きく影響します。本稿では、筆者がビジネスゲーム/ビジネスシミュレーションを開発、提供する際にお伝えしている振り返りの2つのプロセスを紹介します。

「学ぶ力」の差を生む能力の差

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 ビジネスゲーム/ビジネスシミュレーションを活用した研修を実り多くするためには、体験そのものはもちろんですが、その振り返りをいかに設計するかがより重要であると考えています。そして、この振り返りのコツ(フレームワーク)は日々の活動から学びを得ることにも準用できます。

 また、「学ぶ力」の差を生む能力の差は時間の経過とともに拡大していきます。本稿が新社会人を含めた新天地で働くみなさんにとって、日々の活動を振り返り、学び、成長し続けるヒントになれば幸いです。

プロセスA「書く→話す→聞く」

 本稿では体験から学ぶための2つのプロセスを紹介します。プロセスBはプロセスAの観点の一部にもなっていますが、独立して考えることができるので、2つのプロセスとしています。まずは1つめのプロセスです。

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書く(個人で思考をまとめる)

 グループワークなどでは、いきなりディスカッションをはじめてしまうと、声が大きい人の意見に思考が引っ張られてしまう人もいます。そこで、まずは1人で自身の考えをまとめることをお勧めします。その際に重要なのが「適切な問い」なのですが、これは後述します。

話す(他人に伝える)

 自分で書いた内容を整理するためには他人に伝えることが有効です。断片的なメモでも、誰かに伝えようとすると、いくらか体系的に、また文脈を意識するものです。そのプロセスで、自分の考えがまとまっていきますし、もしまとまらなければ少なくとも「まとまっていない」と自覚することはできます。

聞く(フィードバックを受ける)

 自分の考えを補正するだけでなく、深めるためにも他者の意見は重要です。ここで重要なのは、本プロセスの目的は「体験からの学び」ですから相手を説得、論破しようとしないことです。相手の意見を取り入れたり、質問に答えるために考えたりと、自身の考えに対して複数の観点から検討する機会になります。

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