オバマ大統領が、本当に"change"したもの――Change.org日本代表 ハリス鈴木絵美さんこれからの働き方、新時代のリーダー(前編)(1/5 ページ)

» 2013年09月17日 07時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

リニューアル記念企画「これからの働き方、新時代のリーダー」

 「アクションリーダーの『知りたい!』に応えるオンラインビジネスメディア」を統一コンセプトとして、9月2日にリニューアルしたBusiness Media 誠 & 誠 Biz.ID。これから数カ月間、リニューアルを記念して、スペシャルインタビュー企画を掲載していきます。

 本企画では、Business Media 誠編集部と誠 Biz.ID編集部がそれぞれテーマを決めてインタビューや対談を行います。Business Media 誠では「アクションリーダーに会いに行く」、そして誠 Biz.IDでは「時代の変化に合った働き方」をテーマに、さまざまな識者の方にお話を聞いていきます。

 →リニューアル記念企画「これからの働き方、新時代のリーダー」バックナンバー


 Business Media 誠のリニューアル記念インタビュー企画「これからの働き方、新時代のリーダー」、4人目に登場していただくのは、Change.org(チェンジドットオーグ、参照リンク)の日本代表、ハリス鈴木絵美さんです。

Change.org日本版代表、ハリス鈴木絵美さん

 Change.orgとは、ひとことで言えば「ネットを利用した署名活動プラットフォーム」。これはおかしい、何かを変えなくてはと思うことがあれば、誰でも無料でキャンペーンを立ち上げ、ネット上で賛同者を集めることができます。米国で生まれ、今や世界最大の署名プラットフォームとなったChange.orgは2012年8月に日本に上陸。日本版の立ち上げメンバーとして尽力したのが、代表のハリス鈴木絵美さんです。

 2013年8月、松江市教育委員会がマンガ『はだしのゲン』の描写が過激だとして、市の小中学校に閲覧制限を求めた問題を覚えている方は多いと思います。「『はだしのゲン』の閲覧制限はおかしい」という声が上がり、反対運動が盛り上がった舞台は、実はChange.org日本版での“「生きろゲン!」松江市教育委員会は「はだしのゲン」を松江市内の小中学校図書館で子どもたちが自由に読めるように戻してほしい。”という署名キャンペーンでした(参照リンク)

 署名運動のような市民活動は、ともすると「特殊な人がやること」と思われがちですが、ハリス鈴木絵美さんはもともと、マッキンゼーのコンサルタント出身のビジネスパーソン。ビジネスの視点をしっかり持ちながら、Change.orgの活動を広めていく努力を日々続ける彼女はまさに、Business Media 誠編集部の考える「アクションリーダー」の代表ともいえる存在です。

 というわけで今回は、Change.orgのハリス鈴木絵美代表と、広い意味で「Change」をテーマに話し合ってきました。前編では、"Change"というスローガンが日本でも大きな話題になった、2008年のオバマ大統領選挙に、ボランティアとして参加したときの話を中心にお送りします。

マッキンゼーのコンサルタントが市民活動に目覚めた理由

Emmy: 吉岡さん初めまして! エミ(Emmy)って呼んでくださいね。

吉岡: 分かりました。実はここ来るときに「なんてお呼びしたらいいんだろう。ハリスさんかな? 鈴木さんかな? ってちょっと迷っていたんです(笑)。じゃあ、Emmyさんでいきますね。

 Emmyさんは日米ハーフとうかがっています。日本と米国と、どちらで育ったのですか?

Emmy: 父はもともと米国の空軍で、飛行機のエンジニアをしていました。横田基地にいたことがあり、そのときに日本が気に入ったそうです。母に出会って私が生まれました。生まれてからずっと東京で育ったのですが、なぜか大学は当然米国に行くものだと思っていて、米国の(イェール)大学に行ったんですね。卒業後は金融の方に進むか、コンサルタントかという二択しかない雰囲気で、マッキンゼーに入りました。

 マッキンゼーでは猛烈に働いて……長時間労働とストレスで、体を壊してしまったんです。腰を悪くして歩けなくなって、2年ちょっとでマッキンゼーを退社しました。会社をやめて、リハビリをしていたときに、オバマの選挙キャンペーンに出会ったんです。

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