女子中学生と父のマジトーク 「お父さん、アタシ告白されたんだ」父と娘の週末トーク(1/5 ページ)

» 2013年11月01日 17時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 私には、中学生の娘がいます。今風にいうとJC(女子中学生)です。部活は美術。趣味は小説を書くこと。運動よりはインドアを好む女の子です。娘も中学生になると、容姿に気を使い出したり、女性特有の丸みを帯びた体形に変化したり……と小学生時代の幼さが消え、急に大人びてきます。

 父につれない素振りを見せ始めるのもこのころ。われわれ親子間でも、会話の量が減っていました。会話もこちらからの一方通行メインで、なんだか空回りしているかんじ。

 「年頃のJC(&JK:女子高校生)」にとって、うざい存在ナンバーワンは父親なのだ。他の家庭もきっと似たり寄ったりなはずだ。オレが悪いわけじゃないさ……」と、自分に言い聞かせていました。

 ところが、ある出来事をキッカケに私と娘の心がガッチリかみ合い、会話が復活したのです。それ以来、今までしたことのなかった本音トークができるようになりました。

「お父さん、アタシ告白されたんだ」

 まず、キッカケから話します。

 9月のある日曜の晩、「アイスが食べたい」と娘がねだってきました。近所のコンビニに二人で歩いていると、娘がおもむろに「……あのね、このことは誰にも言わないでほしいんだけど。特にお母さんにはぜったいナイショでいてほしいんだけど……」と神妙な顔つきで話しかけてきました。

 (ははあ、アイス以上に高価なモノを買ってほしいんだな? 服か? カバンか? スマホか?)

 と思いましたが、ソワソワした素振りを見せ、落ち着きがなく、いつもと雰囲気が違います。

写真はイメージです

 「なになに?」とたずねても、「ほんとにお母さんに言わないって約束する?」と念の入れ方がハンパありません。

 10分ほど押し問答を続けたでしょうか。「お母さんには言わないって約束する! 早く言ってくれないと、アイスが溶けちゃうよ」とキレ気味に急かすと、娘は意を決したようにつぶやきました。

 「お父さん、アタシ告白されたんだ」

 これを聞いた瞬間、うれしさと寂しさの入り混じった、複雑な気持ちになりました。年頃の娘をお持ちの男性親はウンウンと頷いてくれるでしょう。と同時に「なぜこんな重い(マジな)ことを、父に話す気になったのか? ふつう、絶対に打ち明けない相手ではないか?」と疑問に思ったのです。でも、娘は真剣に考えた末、私を相談相手に選んだのです。私は、娘の思いに真剣に向き合う義務があります。

 その瞬間、ひらめいたのです。

 「これを、連載コンテンツにしたら面白いかも」と。

 娘のプライバシーをWebコンテンツにするというのは、父親としてどうなんだと一瞬悩みましたが、「面白そう」という気持ちが勝りました。そこで、連載企画をまとめて娘に提案し、(匿名前提で)承諾を得ることができたのです。さらには、告白をキッカケに、普段はあらためて話さないことまでも、あえて話してみようと合意を得ることに成功しました。

 「何を話したのか」「どんな発見や気付きがあったのか」

 既に父親の読者、これから父親になる読者などの、親子間のコミュニケーションの参考になれば幸いです。

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