さて、話し合いをするに当たり、最も気を使ったのは「場所」でした。周囲に気兼ねなく落ち着いて話せる場所としてカフェがいいと考え、スペースに余裕のある郊外のコメダ(コメダ珈琲)をチョイスしました。ちなみに、時間は土曜の朝。
コメダで、モーニングを食べながら話すことになりました。
父 サオリ(仮名)はどうしてお母さんではなく、お父さんに打ち明けてくれたの?
娘 だって、お母さんってすぐ感情的になるでしょ? 冷静にあたしの話を聞かずに、キーキーわめいたり、問い詰めたりするに決まってるもん。
父 そう予想したんだ。
娘 うん、命令されるのってイヤなの。あたしのことはあたし自身で決めたい。あ、べつに告白されたからって付き合うつもりはないよ。ただ、どうするかは自分で決めたい。
父 お父さんは感情的にならないって思った?
娘 お父さんは……冷静に聞いてくれるって思ったし、命令じゃなくて、提案してくれるんじゃないかなって。お母さんに話せることは、学校の出来事とか、勉強のこととか、そういうことまで、かな。恋愛については、たぶん相談しない。
(う、うれしい……。でも、それを顔に出すわけにはいかない。務めて冷静を装う)
父 そ、そうか。ちょっと聞きたいんだけど、その男の子ってどんな子?
娘 クラスで一番うるさい。よく言えば、あかるくてひょうきんな子。よくしゃべるし。
父 ムードメーカー的な?
娘 そうだね、笑いも取るし、まあ、好かれているキャラではあるよ。
父 お笑い芸人っぽいんだね。
娘 そう、そんな感じ。
父 イケメン?
娘 ううん。
父 で、どんなふうに告白されたの? 人気のない体育館に呼び出されたとか?
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