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» 2014年03月04日 08時00分 公開

なぜコンビニは販売不振の「白飯」を売り続けるのかご一緒に“おでん”いかがですか(3/4 ページ)

[川乃もりや,Business Media 誠]

売れていなくても棚に並んでいる商品

 あまり売れていない定番商品のほかに、戦略的に“売れていなくても棚に並んでいる商品”がある。弁当と一緒に並んでいる「白飯」だ。ハッキリ言って、おいしくない。売れ残って「廃棄」になると分かっていながら棚に並べるなんて……利益をドブに捨てているようなものである。

 白飯は、惣菜コーナーの近くで販売している。惣菜コーナーから好きなおかずを買ってもらい、ついでに白飯を買ってもらう。これが一般的な戦略だが、「惣菜+白飯」はどうしても割高になってしまう。割高になるので、惣菜の売り上げが落ち、白飯も売れなくなる。仕方がないので、筆者の店ではおかず系の惣菜を減らして、その代わりにおつまみ系を増やしていたのだ。

 おつまみ系は単価が安いので、お店の売り上げはなかなか伸びない。なんとかおかず系にがんばってもらいたい……というわずかな望みで白飯を置き続けてきたのだ。

 「『サトウのごはん』といった、レトルトごはんを並べたほうがよいのでは」「もう棚から外そう」と何度も考えた。しかし、ここにきて「白飯」の重要度が増してきたのだ。その理由は、独り暮らしの高齢者。1人前のご飯を炊くのは、面倒くさい。スーパーなどで重い白米を買うのは大変。といった感じで、高齢者の負担になっているのだ。

 こうした背景があって、温めるだけの白飯が注目されてきた。高齢者にとっては、レトルトごはんより、弁当ケースに並んでいる白飯のほうに価値を見出しているようだ。というのもレトルトごはんは、その昔温めるとヘンなにおいがした。当時は長期保存商品の特性上仕方がなかったのだろう。現在はそのようなことはないと思うが、多くの高齢者はレトルトより弁当と並んでいる白飯のほうが新鮮でおいしいという印象が強いのかもしれない。そんなわけで、筆者は「今後、白飯の重要度はますます増してくる」と見込んでいる。

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