コニカミノルタの動画(dream printer)が注目されているのをご存じだろうか。YouTubeでの再生回数は、企業広告では珍しく100万回を超え、世界150カ国以上の人に見られている(2014年3月10日現在)。
再生回数だけをみると、同社以外にも驚異的な数字を残している広告がある。例えば、ユニリーバによる「Dove(ダヴ)」の動画は、再生回数が6000万回を超えている。こうした数字をみると、コニカミノルタのそれは見劣りするが、記者はある点に注目している。
詳しい内容は動画を見ていただきたいが、ニューヨークの公園に「dream printer」という複合機が設置されている。そこに集まってきた子どもたちがそれぞれ将来なりたい夢を文字で書いてプリンターにセットすると、手書きの似顔絵になって出てくるという仕掛けだ。
ん? なにそれだけ? と思われるかもしれないが、動画の中で「コニカミノルタ」のロゴが出てくるのは最後の数秒だけ。広告にありがちな「この商品はいいよ!」といった押しつけがましさがうかがえないのだ。ただ、こうしたテイストの広告は、これまでグローバル企業では当たり前のようにやってきた。いわゆる“広告界のグローバルスタンダード”に、ようやく近づいてきたということでもある。
なぜ日本の企業の広告には、自社商品をアピールするものが多いのか。「目先の利益を追いかけなければいけない」といった理由があるのだろうが、本当にそれでいいのか。こうした傾向について、コニカミノルタのキャンペーンに携わった、Neo@Ogilvyの山崎浩人さんに直撃した。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
山崎浩人
携帯事業者キャリアレップCEO、電通グループ/クロスメディア事業者(テレビコンテンツxモバイル)CEOなどを歴任し、現在はNeo@Ogilvy(ネオ・アット・オグルヴィ)でチーフ・マーケティング・プロデューサーを務める。
フィリップ・コトラーの「マーケティング3.0」具現化施策として「Social Value Branding by Marketing3.1」を開発。日本自動車メーカー8社共同プロジェクト「Drive Japan」の総合プロデューサーのほか、中央大学ビジネススクール戦略経営アカデミー講師などを務める。
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