人はなぜ「コカ・コーラ」や「アップル」の商品を買うのか仕事をしたら“ブランド”が見えてきた(2/6 ページ)

» 2014年03月12日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

両国民を“つなげる”ことに貢献

土肥: 山崎さんはデジタルマーケティングなどの手法を使って、これまでさまざまな広告を手がけてきました。グローバルに成功している企業広告に、ある共通点があるとうかがいました。どういったことでしょうか?

山崎: まず、コカ・コーラの動画を見ていただけますか?

 英国の植民地だったインドは、第二次世界大戦後に、2つの国に分離・独立しました。ご存じのとおり、インドとパキスタンですね。その後、両国は戦争をして、いまでも緊張関係が続いています。

 こうした状況の中、コカ・コーラはインドとパキスタンでキャンペーンを行いました。「スモール・ワールド・マシン」と名付けられた自販機がインドとパキスタンに1台ずつ設置され、それぞれの自販機の前に立つと、相手の姿を見ることができるんですよね。

土肥: つまり、インドにある自販機の前に立つと、パキスタンの人を見ることができる?

山崎: はい。で、ある指令が出てきます。「踊る」とか。そしてインド人とパキスタン人が「踊る」と、コカ・コーラが出てくるんですよ。

 国同士は争っていますが、国民に責任にはありません。同じ人間なんだから仲良くして、楽しんだほうがいい。コカ・コーラは民間企業ですが、政治的な問題を越えて、両国民を“つなげる”ことに貢献したんですよね。この動画を見た視聴者からは「感動した」といったコメントがたくさんつきました。

土肥: 企業広告の多くは「いいモノができました」といったことをアピールしますよね。

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