まずは、グロービスの女性陣に集まってもらったときのインタビューの続きから、関連した内容を抜き出してみたい。
溜田:1つ僕がビクッとしたキーワードが「溜まっていく」という感覚。結構、昔のことまで覚えているのが不思議で。そういうことは溜まっていくだけで消えていかないの? (自分の経験も踏まえると、女性の場合、決して消えていない気がする)
Eさん:2パターンの女性がいると思うんですけど、思った瞬間になんでも口に出せちゃう人と、一旦飲み込んで言うタイミングを見計らって、我慢して、ここまで我慢出来るっていう人がいて。多分我慢しちゃうタイプだと、溜めて溜めて「まだ私、我慢出来る。この人には、もっといいところがあるはず」って。それが何かしらかのきっかけがあったりすると――。
溜田:いやー、今、昔のことを思い出しているんですけど、まずいな〜。(まずい。まずいよ、本当に。冷や汗が出てきた……)
Kさん:それで、後になってから言うと「なんでそのとき言わないの?」って男子は言うんですよね。
溜田:(あー、そうそう。自分も言ってる)
Aさん:でも、こっちとしてはその1つ1つは言うほどのことではなかったりするんですよ。例えば、箸を持つときにガッと持ってドンとやったりすると嫌だなと思うけど、箸の上げ下げについてここで言うのもどうかなとか思うんです。そういうことなんですよね。でも、なんかやっぱり下品な人なんだなって思いが溜まってくんです。
溜田:(え、そんなところまで見られているの?)
Kさん:そうそう。箸の上げ下げをやりなおしてほしいわけじゃなくて、つまりは「下品なところをなおして欲しい」ってだけなんですよね。
溜田:あー、それは通じないかもしれないなー。(ひ、ひどい……。確かにその場で注意しても、男の側にしたら「箸の上げ下げを注意された。なんてつまんないことを言うんだろう」としか感じないだろうな)
Fさん:なんていうか、そう簡単になおるものじゃないって諦めちゃうんですよね。そんなふうに人を評価するのが失礼だっていう思いもあるし。
溜田:(で、そのまま溜めるんだ。どうせ言うのやめるなら、ついでに忘れてくれると助かるのに……)
インタビューはこの後も延々と続いたが、この短いやりとりの間にも私の頭の中には過去の痛い経験がよみがえっていた。
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