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» 2014年05月26日 09時10分 公開

部下が指示を理解してくれないのは、あなたの能力不足かも?サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)

[サカタカツミ,Business Media 誠]

考える余地を残す伝達方法は、覚悟して行うべし

「カラスは黒い」と伝えたいとき。あなたはどのように伝えますか……?(写真はイメージです)

 伝達するということについて、少し面白いたとえ話をしましょう。私が企業の管理職へのセミナーなどで、割とよく話すエピソードのひとつです。「カラスは黒い」というキーワードを、組織のトップが、その組織に所属するすべての人に向かって話したとします。そうすれば、カラスは黒いということは、ほぼすべてのメンバーに情報として行き渡ります。しかし、腹心の部下、例えば役員にだけ話して、あとは部下に伝えてくれと指示したとします。

 そうすると、ある人は「カラスはブラックだ」といい、ある役員は「カラスは白くない」といい、別の人は「黒い鳥がいる」と伝える可能性があります。もう、お解りですね。ここに挙げた3例は、カラスは黒いということを、それぞれの役員が部下に伝えているわけですが、最初のそれからは、かけ離れてしまっています。

 黒いという言葉を「ブラック」と言い換えるケースは、よくあるでしょう。イマドキのビジネス用語に置き換えてしまって、かえって意味が通じなくなるケースは、ビジネス社会では日常茶飯事。

 また、黒を「白くない」と、表現方法を変えて言ってしまうのも、やってしまいがちです。ですが、同じことを伝えているつもりでも、白くないならグレーやブルーである解釈もできると、情報が間違って伝わることを意識していない、ダメなコミュニケーションの典型例。

 黒い鳥がいる、という表現に至っては、必要な情報が欠落して、新しい情報が加わることで、情報を受け取る人にさらなる混乱を産み出してしまうのですが、そういうコミュニケーションが、多くの人の無駄な仕事を作り出していることに、無自覚な人がたくさんいるのです。

 言わなくても分かるはず、という勝手な思い込みは、情報伝達がいかに難しいことであるかを理解し、自覚していれば防げるはず。相手にも考えてほしいと願っているなら、相手が自分の理解の範ちゅうを超えた行動を取る、もしくは期待したほどの行動はしてくれないと、覚悟しなければならないのです。

「このくらいはできるはず」というのは、上司の甘えでもある?

 こう書いてしまうと「一定の年齢に達した部下に対して、逐一細かく指示を出すのはおかしい。そのくらいはできて当然。そんなこともできないようでは困る」と、怒りだす人がいるでしょう。その気持ち、分かります。しかし、困るのは誰なのでしょうか?

 細かい指示をしなければ仕事ができない部下が困るだろう? という話になりそうですが、部下は細かい指示を受ければ仕事はできますし、今回のケースだと、指示を受けても仕事ができないのではなく、指示が明確ではないので仕事ができない、もしくは指示をした上司の期待ほどは仕事ができなかっただけなので、現状はそれほど困りません。困るのは上司です。

 部下が困るとしたら、指示が足りない上司の仕事を手探り状態でこなすことによって、時間を費やしたにもかかわらず、できていないと怒られる、そして大した糸口も与えられないまま自分で考えろと言われて、さらに袋小路に入ってしまって大変……という感じでしょうか。

 冒頭にも書きましたが、こういうケースの多くは「本当の問題」を、上司が分かっているのに、先送りしてしまうときに起きるのです。

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