ブルーシールアイスクリームのブランド戦略から、カスタマーバリューを考えるINSIGHT NOW!(1/2 ページ)

» 2014年07月01日 07時00分 公開
[小倉正嗣,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:小倉正嗣(おぐら・まさつぐ)

BtoB営業改革・新規事業開発・間接資材購買コスト削減の3本柱を専門とするコンサルタント。営業マネージャー・営業マン・営業企画マン向けのセミナー/研修の講師を中心にSFA導入支援や営業組織改革、新規事業開発支援、購買コスト削減等のコンサルティングを行っている。


photo ブルーシールアイスクリームは、沖縄の名産品とコラボレートしたアイスクリームなどを販売している

 先日、営業戦略やロジカルシンキング、交渉力の講師として呼ばれ、沖縄に行ってきた。その講義の場に「ブルーシールアイスクリーム」の製造元である、フォーモストブルーシールの社員の方が数名参加しており、興味深いコミュニケーションを取ることができた。

 ブルーシールアイスクリームは「紅いも」や「ちんすこう」など、沖縄の名産品とコラボレートしたアイスクリームなどを販売しており、沖縄を代表するブランドの1つだと思っている。国際通りを歩いているとあちこちで目にするので、沖縄本島に旅行された方ならほとんどの方がご存じだと思う。ライバルブランドというとオリオンビールくらいだろうか。

 その際に伺った話が、マーケティング的に実に興味深かったのでご紹介しよう。ブルーシールの出店戦略についてである。

地域に根ざした出店か、FCを使った全国展開か

 現在の社長は、沖縄の地域に根ざした出店戦略を採用しているとのことだが、2011年頃に交代した前社長はフランチャイズを基軸として拡大戦略を取っていたという。その名残なのか、北海道から九州まで、それなりに分散してFC(フランチャイズ)店舗や取扱店が存在している(参照リンク)。沿革を見る限りだと、2011年の和歌山店がFC店の最後の出店のようだ。

 前社長と現社長、果たしてどちらの戦略が正しいのだろうか? もちろん、どちらの戦略が正しいかは双方をやってみないと分からないが、私個人としては、あまり積極的にFCを展開せずに、直営に重点を置いてブランドコントロールをしてほしいと思っている。何故なら、ブルーシールアイスクリームにおける最大の資産は、ブランド価値だと考えているからだ。FCだとどうしてもブランド価値のコントロールが末端まで効きにくい。

photo ブルーシール羽田空港店(出典:ブルーシールアイスクリーム)
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