法人タブレットも続々、Surface対抗モデルも レノボが法人向け10インチタブレット

» 2014年07月08日 17時24分 公開
[Business Media 誠]

 ビジネスの現場に「タブレット」がじわじわ普及してきている。個人で所有する機器を業務に活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」と呼ぶ利用形態の広がりに加え、性能や作業性、価格メリットが優れてきたことを背景に法人が社員向けに貸与する業務機器にも採用例が増えてきている。

 IDC Japan「国内モバイルデバイス市場予測調査」によると、2014年のタブレットは前年比18.3%増、法人市場に至っては同48.8%増の221万台規模になると予測され、2018年にはPC出荷台数と同等の1000万台規模に達するとみられている。

 サイズや重さ、バッテリー動作時間など機器の基本性能に加え、業務機器には、これまでの知識や資産を生かせるWindowsマシンでMicrosoft Officeが使えること、そして重要データも含む社内ネットワークへアクセスするため、“これまでと同じ社内システムや環境で実現できる”セキュリティ機能が望まれる。例えばWindowsタブレットを投入する日本マイクロソフトも「Surface」シリーズの法人訴求を急速に進めており、法人向けソリューションプロバイダの大塚商会などと組み、Surfaceに最適化した法人向け運用支援サービスを展開している。

 持ち運べる利便性やタッチ、ペン入力機能などもあるWindowsタブレット。業務導入としてもビジネスパーソンへ新しい働き方・使い方を提供でき、かつ“これまでのIT資産も応用できる”こと、パフォーマンスも一般ノートPC並みになってきたこと、このあたりこれまでのクラムシェル型PCの代替として需要が高まっている理由の1つといえる。

photo 「ThinkPad 10」デジタイザーペン搭載モデルも用意する

指紋認証付き、64ビット版8.1Pro構成の10インチタブレット 別途、Windows 8.1 with Bing搭載の6万円台モデルも

 レノボ・ジャパンは7月8日、法人導入を意識した10インチのWindowsタブレット「ThinkPad 10」を発表、2014年7月8日より販売を始める。価格は6万6000円(税抜)から。

photo 1920×1200ピクセル表示+10点タッチ対応の10.1インチIPS液晶ディスプレイを備える

 業務機器として導入を見込み、ビジネスシーンに沿ったThinkPadブランドで展開。現オフィスPCのリプレイスニーズを想定し、8インチの既存シリーズ「ThinkPad 8」に対し、10インチのより大きいディスプレイや標準サイズのUSB端子やMicro SDメモリーカードスロットを、さらにビジネス向けの64ビット版Windows 8.1 Pro Update、4Gバイトのメインメモリ、デジタイザーペン機能を実装するモデルをそろえた。フルサイズのスタンド付きキーボードなど「PC的にも」使える純正オプションも豊富に用意する。LTEデータ通信機能内蔵モデルも2014年9月中旬以降に追加する。LTEモデルは、ソフトバンクモバイルのLTEデータ通信(SoftBank 4G LTEとSoftBank 4G)をサポートする「ThinkPad 10 for SoftBank」をソフトバンクの法人向け販売チャネルを通じて販売する。

 主な特徴は、業務シーン向け機能(着脱型のフルサイズキーボードカバー、64ビット版Windows 8.1 Pro Uprate、標準サイズUSBポート、ペン記入機能、指紋認証センサー、スマートカードリーダー、LTEデータ通信機能の内蔵、業務のための管理システムのサポート、堅牢性など)の実装、高解像度の10.1インチディスプレイ(1920×1200ピクセル)、薄型軽量ボディ(厚さ8.95ミリ、重量約590グラム)など。インタフェース拡張ドック「ThinkPad Tabletドック」、ケースとフルサイズキーボードを一体化した「ThinkPad 10 タッチケース」、開くとカメラが自動起動する「ThinkPad 10 クイックショット・カバー」、シリコン構造プロテクタータイプの「ThinkPad 10 プロテクター」、のぞき見を防ぐ「ThinkPad 10 プライバシーフィルター(四方向対応)」などの純正オプションも用意する。

photo これまでのノートPCと同様の作業性を確保するオプションキーボード

 「レノボ・セレクト」モデル(販売代理店経由で注文する、仕様を半固定した基本モデル)として、デジタイザーペンや指紋センサー搭載、64ビット版Windows 8.1 Pro Update仕様の「20C10023JP」(8万1000円)、デジタイザーペンと64ビット版Windows 8.1 Pro Update仕様の「20C1002PJP」(7万9000円)、Windows 8.1 Pro Update仕様の「20C1002NJP」(7万5000円)、32ビット版Windows 8.1 with Bing(低価格版Windows 8.1)で2Gバイトメモリ仕様の低価格モデル「20C1A00HJP」(6万6000円)を用意するほか、近日中に直販サイト「レノボ・ショッピング」での販売も行う。

photo オプションのスタンド機能付きカバー
photo 本体サイズは256.5×177×16.95(幅×高さ×厚さ)ミリ。厚さ16.95ミリのスマートカードリーダー付きモデルも用意する

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