膨張する日本の医療費にストップ! ファンケルが予防医療を新たな主戦場に理想は“ピンピンコロリ”(2/2 ページ)

» 2014年10月28日 08時00分 公開
[伏見学,Business Media 誠]
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20年間の実績を生かしたサプリメント

 今回、ファンケルヘルスサイエンスが打ち出したグッドエイジングプログラムは、具体的にどのような特徴があるのだろうか。まず、遺伝子検査については、健康院クリニックと提携し、科学的根拠を持たせた検査キットを開発した。

このたび発売した生活習慣サプリメント このたび発売した生活習慣サプリメント

 検査は、口腔内の粘膜から綿棒で遺伝子を採取するだけの簡単な方法で、肥満やインスリン抵抗性、体内老化(酸化・糖化)という基本項目に加えて、血栓症や高血圧症、骨粗鬆症などの発生リスクを把握できるという。遺伝子を採取して約1カ月で、医師からの「遺伝子検査結果報告書&運動・栄養アドバイス」と、健康カウンセラーからの「パーソナル・アドバイスシート」が検査を受けた者の手元に届く。

 健康カウンセラーは、一人一人の健康状態やニーズに合わせて、食事や運動などの生活習慣の改善アドバイスや最適なサプリメントの提案を行う。現在、ファンケルグループには管理栄養士や薬剤師などの有資格者をはじめ約200人のカウンセラーを配備する。

 専用サプリメントに関しては、同社が20年にわたり健康食品事業で培った知見や研究開発実績を基に開発したもので、「生活習慣病やQOL(生活の質)低下の予防に着目したエビデンスのある商品」(ファンケルヘルスサイエンス・青砥弘道戦略推進本部長)だとする。まずは代表的な生活習慣病をターゲットに、血管の詰まりを防ぐ発芽玄米成分「PSG」や、酸化および糖化をコントロールする「還元型ケルセチン」を配合したサプリメントなど5種類を提供するが、将来的には製品ラインアップを拡充していく考えだ。

 新事業として立ち上がったファンケルヘルスサイエンスの予防医療事業だが、当面は啓蒙活動が中心になるという。その背景には、日本における予防医療の認知度がまだ低いという実情がある。セミナー開催などで少しずつ世の中に普及させていき、2017年度には数十億円規模の事業に育てたいとした。

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