「頭から氷水」の次に来る “MOVEMBER”チャリティって何だ人に話したくなるコラム(3/4 ページ)

» 2014年11月18日 08時00分 公開
[藤井薫,Business Media 誠]

ネットでも話題にしやすい

 だが何よりも特筆すべきは、このチャリティ・チャレンジがソーシャルメディアにぴったりの題材だということ。イベントに参加するには、事前にサインアップをする。ルールは簡単で、11月1日にひげを剃りクリーンな状態にしてから、あとは30日間、ひたすらひげを伸ばすだけだ。イベントに参加している男性は「Mo Bros(モー・ブラザーズ)」と呼ばれ、そこに奇妙な連帯感が生まれるのだ。そして、FacebookやTwitter、YouTubeやInstagramなどを通じて世界中のモー・ブラザーズとイベントを共有することができる。誰でも参加でき、みんなの問題だから、ネットでも話題にしやすく、どんどん拡散していくのだ。

 例えば、ネット上ではこんな声が飛び交っている。キャンペーンチームの1人は、「全世界で年間51万人の男性が自殺しているらしい。それって、毎分1人という計算になる。これはよくない。みんなで変えようぜ」とアップし、参加者たちは「MOVEMBERでひげを伸ばすのは、もはやチームスポーツだ!」とか、「いま、検診に行ってきたよ」という報告や、「米国人の7人に1人が、一生のうちに前立腺がんと診断されるらしい。MOVEMBERに参加してサポートしようぜ!」などと盛り上げている。

 さらに、毎年違ったクリエイティブを導入して、Webサイトやモバイルなどのビジュアルを一新しているのも、うまい戦略だと言える。デザインはクールだし、毎回参加しても飽きないようなイケたキャンペーンになっている。

 ひげを伸ばすというシンプルなチャリティ・チャレンジで、ここまで盛り上がれるのも見ていて清々しい。そして世界中で、ひげ面でむさ苦しいモー・ブラザーズたちが写真をネットにアップしたり、メンズヘルスについて考えをシェアしている。なによりも、参加者が楽しんでいるのが印象的だ。

「MOVEMBER」に参加するルールは簡単。ひたすらひげを伸ばすだけ(出典:MOVEMBERのFacebookページ)

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